位置と尺度

 

人生に取って大切なことは、「位置」と「尺度」です。
いまの自分はどの辺りに位置しているのか、
そしていまの自分はどれほどの大きさなのかを知っておく必要があります。

現在の位置が確認できるから人格形成の励みになり前に進むことができるのです。
そして現在の尺度を知ることにより幸不幸の目安が分かり人生のバランスをとることができるのです。

多くの方の悩みの原因が、社会の中で自分の立ち位置が分からず、
また幸福なのか不幸なのかも曖昧で、日々流されて生きることに疑問が生じるからです。

一般的に自分の立ち位置の確認方法として、
新聞、ニュース、ネット上から社会的な位置、上司や同僚との話から会社内での位置、
友人や家族から知る人的交流の位置です。

勿論、学生の場合なら学業以外の活動から知る立志の位置もあります。

自分の定まった位置が分かると、話し合いで納得するのも、納得しないのも、
同意するのも、反対するのも、好きか嫌いかも、すべてその位置から答えが出て来るはずです。

しかし、第三者からの情報を取り入れ過ぎて、位置が分からない人や、
位置がブレている人は、常に他人と比較しながら判断するから悩むのです。

気を付けなければならないのは、このようなタイプの人は世の中に踊らされてしまいます。
捏造された情報に一喜一憂して自分を見失いがちです。

つまらない情報で不用意に踊らされない為にも自分の基軸(位置)をしっかりと持つべきなのです。

それでは尺度はどのようにして確認をすればよいか、
自分の能力、知識、技術、経験等を職場で又対人関係で知る方法と、
各種専門情報と照らし合わせて知る方法があります。

そのうえ多くの見識者と話し合うことから理解する方法があります。

求めようとする知識と経験、必要とされる人格、立ち向かう方向、
それらの真ん中に立ち現状を把握する事が、尺度の確認方法としてはとても大切なことです。

また位置と尺度を同時に知る方法としては旅に出る事です。
それも大自然を相手にした一人旅です。

各地の名山大川を歩く事によって、今いる位置と尺度が確認できるのです。
川を渡り、森を抜け、野山を歩く事により、万物の霊的なエネルギーを感じ、
真の目的の自立と活力に目覚めるのです。

偉大なる大自然の恩恵を受ける生物の一員として、個人の欲を満たすだけの人生では無く、
個人が他(自然・生物・人間)に役立つ人生を発見することが出来るのです。

そして旅と共に薦めるのが文化芸術に触れあう事です。

人間のもつ想像力の素晴しさに親しんで欲しいのです。
ピカソやゴーギャンやゴッホ、ベート-ベンやモーツワルトやシューベルト、
みな我々と同じ人間なのです。

彼等の芸術を生み出した能力と技術に感動して欲しいのです。

そして同じ人間でありながら、その大きな違いは何だろうと考えるべきなのです。
単に特別な才能があったから、人並み以上に苦労をしたからだけではないのです。
自分の位置と尺度を理解したうえで、その才能以上の努力があったからこそ、
素晴しい作品を生み出す事が出来たのです。

多くの成功したアーティストは言います。自分の希望する方向での苦労は苦しみではありません。
目指す方向と自分の能力が分かっているから、楽しみながら努力を続けられたのだと。

「想像力と位置」、「才能と尺度」、
一つの事に集中して日々研鑽を積み重ねて作られた作品が
万人の魂を震わせる事に成るのです。

多くの文化芸術から究極の感動を味わうべきなのです。

本当に大切なことは自分の立ち位置と尺度を知ることです。
つねに社会や組織や人間関係などから抵抗の強い力で引っ張られます。
その力に耐え忍んでこそ、自分の立ち位置が明確になるのです。

未来に向けて地位や名誉や財産を照準に置くのではなく、
今出来る行為行動に照準を合わせれば尺度も判断できるのです。

豊かさへの上昇志向を諦める事ではありません。
他人の作った高みに照準を合わせなくとも、自分に照準を合わせれば、
力量にあった目標と目的が明確になるということです。

向上心を失くすのでは無く探究心を求めよという事です。

理想を描く前に現実を確認して、自分の位置と尺度を知ることが大切です。