老いるとは
若い時には想像もしなかったことが起きます。
日常の意識の中心は身体のことばかりになり、
思うように動けない、階段が怖い、トイレが近いなど
特に外出時には気になります。
その上に記憶が曖昧になりハッキリとした思考になりません。
好きなことや美味しいものにまで興味がなくなり、
考えるのは老後の不安ばかりで虚ろな日々になります。
私は大の病院嫌いでしたが身体の不調を解決するために3回施術を受けました。
キッカケは海外出張です。単独でアジアの市場開拓に出かけるために
身体にある不具合を3か所切り取りました。
鼠経ヘルニア切除・腸内ポリープ切除・前立腺切除です。
それによって思うように動けない、階段が怖い、トイレが近いなどの
症状が改善されてコロナ禍に3回もカンボジアへ出かけました。
記憶に関しては毎朝ブログを書いているので心配はしていません。
日課の読書も欠かしたことはありません。
それ以外に毎朝ストレッチ運動を40分ほど行い、ウォーキングを1時間。
電車やバスもなるべく利用して遠回りをして足腰も鍛えています。
脳と身体の健康は個人で改善しなければ解決方法がありません。
むやみやたらにサプリを飲んで高額な漢方薬を飲み健康自慢する人と
私を比べたら姿勢の良さと歩く速さに驚かれます。
それと一番の改善は「贅沢を廃止」したことです。
自戒を込めてこの方法を取り入れました。
高齢者には絶対にお勧めします。若い時には暴飲暴食でも内蔵機能が
元気なために気になりませんが、年齢を重ねると贅沢品が心と身体に
悪いと気づきます。粗食にすると驚くほど健康を取り戻します。
「老いるとは足し算ではなく引き算である」ことを肝に銘じることです。
臨済宗「悟り」について
お釈迦様は八十歳で入滅なさいましたが、クシナガラで涅槃に入ろうと
旅を続けておられる時に、喉が渇いてもご自身が川まで行けない程に
老いておられました。やはり、お釈迦様もお年をお取りになったのです。
中国の漢詩に『少年老い易く学成り難し』とありますが、
老人となって初めて、なにも成していない事に愕然とします。
しかし、年を取らないとわからないこともあります。
本当に人間は、病気でも怪我でも災害もその時にならないと
本人が心から認識しないものです。体の何処か痛くてたまらない、
思うように動かない、若い時には想像もしなかった身体の老いです。
老いた時に体も心も固くなる人と、
体は老人だけどでも心は、柔らかい人がいます。
不思議なことに老人になると、個人差が大変開きます。
同じ年齢なのに体も心も人によってかなり違います。
どうしてでしょうか。体も老い、心も気持ちも頑固になって
人の言うことを聞かない人。
それに比べ、心爽やかな、年輪を感じる人もいます。
自分が老人になって、心が傲慢に独りよがりなっていないか。
人の親切な忠告をよく聞けているか。正しく物を見ているかと。
自分が自分自身に気づいているでしょうか。
臨済宗の悟りは、気づくことです。自分が自分に気づく。
何歳からでも良いから自分の周りに自分以上のもっと大きな存在があって、
自分はそれに生かされ、生きている事に気づく。
心静かにおかげさまを感じながら感謝や仏心を持って、暮らしたいものです。
しかし、年齢を重ねたのに仏心に気づかず、気も止めないで現実の
お金や物に振り回され、波の様に押し寄せる情報に右往左往して
おられる方もおいでになります。『人間の寿命は有限です。
でも、人間の幅を増やすことは無限に可能です。
有限な人生を無限に生きるためには、人間の幅を広げることです』
そしてその窓口は、皆様の菩提寺ですし、本山や菩提寺のご住職なのです。
どんな仕事もプロが要る様に信心にもプロがいます。
プロのご住職に聞きましょう。スマホやネットでは無く、参拝しお寺で
心の幅を広げましょう。ご住職は、法事やご葬儀だけで無く、
一人でも多くの人に禅を伝えようと日々貴方を待っておられます。
年を取って、残された時間を思う時、大切な時間を信心に割きたいものです。
私は今年76歳になります。
色々な企業やNPO法人などの理事を務めております。
ほとんどがボランティアなので収入はありません。
しかしお声がかかれば必ずお引き受けさせていただきます。
私を必要としてくれる方がおいでになるというのは有難いことです。
私の願いは人に役立つことが一番です。
それにこたえるためには心も体も健康でなければなりません。
そして現役のプロデューサーとしても活動を続けています。
若いアーティストの才能を見つけ出し育てることが生き甲斐です。
音楽の捉え方、生き方、情報発信性、メッセージの時代性などと
時代にぶれない心構えを教えています。
現在ロックシンガーの伊丹谷良介のプロデュースを手掛けています。
76歳のプロデューサーが51歳のロックシンガーを世に出そうとしています。
音楽業界初の出来事です。ヒット曲が出ればギネスに認定されると思います。笑い
昔、20代の時に矢沢永吉の担当をしていました。
コンサートや取材の時に、
矢沢は「60~70になっても武道館でコンサートをやる」
この一言に自分も「60~70になってもプロデューサーをやる」と
言った覚えがあります。
当時はロックアーティストの限界は30代までと言われていました。
勿論、音楽プロデューサーの限界も40代までと言われた時代です。
2人ともいまでも現役でロックシンガーとプロデューサーで活動しています。
勿論、矢沢と同列におくのはおこがましいのですが、
私も矢沢も1949年生まれの76歳です。昔では考えられない年齢です。
しかし上には上がいます。
英国のロックバンド「ローリングストーン」は80歳越えの現役です。
現在世界ツアー中です。新曲も発売されました。
米国の詩人サミュエル・ウルマンの「青春」に書かれている言葉です。
「人は年を重ねたから老いるのではなく情熱を失った時に老いる。
20代の若者でも情熱を失った時に老いていることになる。」
現在、様々な団体の理事をお受けしていますが、その中でも最近特に
力を入れているのが「世界動物かんきょう会議」と「老人と孫」です。
未来に生きる子供たちに美しい環境を残すために、
未来に生きる子供たちと平和を一緒に作り出すために、
培って来た経験と叡智をそして人脈を惜しみなく提供するつもりです。
私は老いてますます盛んです。
常に未来に目を向けて生きています。