運を呼び込む




「技術的」練習以上に大切なことは「運を呼び込む」練習です。
「運」は突然やって来ます。その時にその運を掴めるかにかかって来ます。
「チャンスの神様毛が3本」と言われるように捕まえるのが大変です。
普段から準備しておかないと気づいた時には通り過ぎてしまいます。

普段の準備とは常に万全の体制で時期を待つ気持ちです。
例えば突然メンバーの欠員ができてピンチヒッターを頼まれた時に、
それに応えることが出来るかです。
その為には普段から万が一を予測しておくことです。

心の準備、技術の準備、見た目の準備、もちろんそれ以上に
気力・体力が充実していなければなりません。
いつでも本番OKの状態をスタンバイします。

運を呼び込むためには行動力、実行力、企画力、そして想像力が肝心です。
これらを鍛えるには若い人には海外への貧乏一人旅を薦めます。
必ず上記の四つの力が養われます。
五木寛之「青年は荒野を目指す」沢木耕太郎「深夜特急」を参考にしてください。

私は「青年は荒野を目指す」を読んで北回りの安いチケットで旅をしました。
横浜から船でハバロスクへ入りシベリヤ鉄道でソ連を周り北欧から英国へ行ったのです。
着いたその日からフラット(アパート)を探して、
英会話の学校の入学手続きをして、アルバイトを探して回ったのです。

心の準備は子供の時から鍛えていたので問題なし。
技術の準備は日本の伝統音楽家として尺八が吹けたので問題なし。(?)
見た目の準備はパンクとヒッピーファッションをミックスしたので問題なし。
気力・体力は旅費を作るために工事現場で一年間働いたので問題なし。

その頃の座右の銘「行く道が楽な場合はその道は間違っている」
敢えて大変な道を選んで夢をあきらめないようにしていました。

そして一番大切なことは人間性です。感謝、感激、感動の三感王を持つことです。
ありがとう、うれしいです、がんばりますを素直に表現できるかです。
この言葉が言えれば、そろそろ「運」の扉が開いて来ます。

空手家山田雅稔が後輩の子供たちに贈ったメッセージです。

努力さえすれば夢は必ずかなうのかと問われると、
残念ながら必ずしもそうとは言えない。
子供たちの夢を壊してしまうようだけれど、
実は「運」に巡り合うタイミングがなによりも重要になるのだ。

自分ではコントロールできないさまざまな要素を味方につけないと、
プロとして大きな成果は得られなかった。自分は単に運がよかったのかもしれない。
心底、そう実感する。ただこう伝えてしまうと、この子は失望するだろうか。

とらえどころのない「運」。
その中で自分自身がコントロールできるものがあるとするなら、
それは人への気遣いだと感じる。

なるべく初対面の人にも話しかけやすい雰囲気づくりを心がけた。
すると協力してくれる人も自然と増えると同時に自分の競技力も上がっていった。

気遣いが競技力を直接、高めるわけではない。立ち居振る舞いに気を配り、
年齢がかなり下の人にも敬う姿勢を忘れないよう注意していると、
自分の責任の重さや期待を再認識できた。
それを糧として積み重ねた努力が結果として世界への扉を開いたのだと思う。

運は全くの偶然ではない。自分の手でつかめるよう努力し、引き寄せることもできる。 

「残された時間は少ない」漫画家竹宮恵子より

私がユニコーン・大谷翔平を更に強く意識したのはあるCMで語る彼の言葉だった。
自分が体の調子も良く、年齢的にもべストに野球を理解しており、
打席がどのように回ってくるか、誰が相手ピッチャーか、などなど、
様々な条件を入れると、あとどのくらいベストなプレーが残せるのか、
決して多くの時間はないのだ、というような意味のことを語っている。
修行僧みたいだと、いろいろな人が感じているのはこういうところかもしれない。

彼は自分の幸運をしっかり掌握していると思った。
運を呼び込むために何をすべきか、
どんなスタンスで待てばいいか、準備となるような考え方はどんなものか。
そして肩に力を入れることなく彼はいつも自分の持ち物に感謝している。

そうしないと運の神様との駆け引きに負けると言わんばかりに。
そんな風に見えるのは私だけだろうか。

若い人、特にこれから世に出て自分を問う人へこんな言葉を贈る。
「自分が出会うすべての機会は奇跡のようなもの。
二度と同じ瞬間は巡ってこない。  
だからその幸運(あるいは不運)を大切に」。

作家瀧靖之の著書より
『ノーベル賞をはじめ、優れた業績に贈られる受賞者の会見や、
スポーツで優勝した選手のインタビューなどをテレビで見ていると、
感動をもって気づくことがあります。
受賞された方々の多くが、眼を熱くして、「この賞は、私一人の賞ではありません。
支えてくれたみなさんと一緒にいただいた賞です」と、語っています。  
自分個人に与えられた賞でありながら、自分を育ててくれた恩師の方や、
一緒に仕事をした仲間、支えてくれたスタッフ、そして、
両親や家族への感謝でいっぱいの受賞者の姿が、いつも印象強く心に残ります。』

沢山の方々が運を開くには「共感力」「好奇心」「感謝」「感動」と言っています。
それらを意識して日々「運を呼び込む」練習をしてください。
純粋で素直な心を「運」は好みます。