親子の会話
親子の間じゃどれだけ会話をしても本質は言い尽くせない
親子の間じゃどれだけ声をかけても伝わり難い
親子の間じゃどれだけ心配しても満足いく安心は無い
親子の間じゃどれだけ愛情をかけても限度が無い
親子の間じゃどれだけ無理しても当たり前になる
親子の間じゃどれだけ口論しても許し合える
親子の間じゃどれだけ喧嘩しても親子は親子である
親が子に気を使う事に対して親は子に見返りを求めてはならない。
子は親の小言に対して納得できずとも理解をしなければならない。
親と子はこの世の中でもっとも強い絆で結ばれなければならない。
親と子の血の繋がりは永遠に水よりも濃いのである。
親父は死ぬまで、子供の前では強い父親であろうとして頑固になる。
母親はいつまでも、優しい母親でありたいと思いながら弱気になる。
お友達的な家族関係で仲良くすると逆に子供を駄目にする。
家庭内で教育しなければならない事は人間関係における恥と礼儀作法である。
その上に依存心を失くし自立心と責任感をしっかりと植え付けなければならない。
社会生活における人間関係の対処法を教えなければ子供は困るのである。
時として子供は他家の親と比較して自分の親に失望する事がある。
父親と母親の冷めた関係からも敏感に傷ついてしまう事もある。
兄弟でもその影響を受けて疎遠な関係になる。
親と子という甘えの中で非常識な言葉も容易に出て来てしまう。
親も子も外でストレスを抱えながら生きているからである。
親が威厳を失くして子供との距離を狭めた弊害であるかもしれない。
ある時、病院の婦長さんから親子の関係で助言を頂いた事がある。
「親子の争いはどのような場合でも親が先に謝りなさい」
「子供は上から目線で一方的に言われる事を一番嫌います」
「あれだけしてあげたのに!がある内は駄目です」
確かに、この考え方は親子の関係を修復するにはとても重要な事だと思います。
そしてまた、このような母と息子の話を聞いた。
小学校4年の男の子が友達に裏切られながらも約束を守る話です。
息子は来る事もない友達をグランドで待ち続けて夕暮れに成ってしまいます。
母親は子供を情けなく思い叱るのですが、子供は「いつもお母さんが約束は守りなさい」
と言っていることを守っているだけなのです。
子供は何故叱られるのかが理解できず黙ってしまいます。
母親は友達にからかわれた息子を労わるのではなく不甲斐なさから叱ってしまったのです。
そのことから母親はふと昔父親から厳しく叱られた事を思い出します。
あの日から娘と父親の関係が疎遠になって連絡が途絶えてしまっていたのです。
ふとそのことを思い出して父親に電話をし「父さんありがとう」の言葉を伝えます。
電話の向こうでは無言のまま嗚咽が漏れて返事がありません。
暫くしてから母親から電話があり「あんた父さんに何を言ったの」「父さん泣いていたよ」。
でも、母親は「良かった。良かった」と言いながら電話を切りました。
その言葉を聞いて娘も涙が止まりませんでした。
子供の時には親の言葉が伝わり難いものです。
子供はどのようなことも善悪で判断するので親の損得の感覚が理解できないからです。
親の良かれは時間が過ぎてから感じるものです。
親の愛情の真意が伝わるのは、子が成長して同じ親になり、
同じ苦労をして、初めて受け止める事が出来るのです。
どのような時にでも「親子の会話」は、途切れないようにすることが肝心ですね。