錯覚と誤解

 

不用意な発言をした為に誤解を与えてしまった。

軽はずみな行動をした為に誤解を与えてしまった。

気持とは逆の態度を取った為に誤解を与えてしまった。

誰しもが経験をする誤解である。

誤解を与えてしまった相手も大いに傷付くのだが、
与えてしまった本人も後悔の念と共に大いに傷つくのである。

誤解は何故生まれるか、
自分の価値判断と好みと生理的な快・不快で起こる。

自分の価値判断はおもに経験から生まれてくる。

育った環境や付き合った友人達、両親や先生から受ける影響が大きい。
常識からでは判断できない人との交わりは、子供の頃からの経験が大切である。

自分を良く見せようとして教室で失敗をして恥を掻く事もある。

好きな人に思いを伝えようとして、チョットした意地悪が大きな間違いを招く事もある。

悪ふざけで先生に大きな誤解を与えてしまって、取り返しのつかない事を起こすこともある。
しかし誤解である。

自分の気持とは裏腹の気持や行為が、
相手に誤解を与えてしまっただけである。

解決方法は多いに泣いて後悔して落ち込めばいいのである。

そしてひとしきり泣きつかれたら、謝る方法を考えれば良いのである。

自然に誤解が解ける場合もあるが、余り望めないことである。
シャレでは無いが、誤解(五階)を与えたのなら四階まで降りれば良いのである。

遜って謝るしか方法はないのである。

そこで意地を張って六階まで行ってしまったら誤解は続いたままになる。

謝るという行為は慣れないと、とても自尊心が傷つくので難しい。
プライドの高い人は誤解を与えたままで、その場から立ち去る場合が多い。

誤解は相手が教養や価値が分からないから起こるのだと思う先人達も多かった。

千利休は自分の主人である秀吉に対して、侘び寂びの茶の真髄を教えようとするのだが、
秀吉には一向に伝わらない、その結果切腹を命ぜられる。

ロメオとジュリエットも同じ様に、ロメオが演技で死んだ真似をしようとしていたのに、
ジュリエットが誤解をして自害をして果ててしまう。

ドラマや映画のストーリー展開の大きな要素は誤解から始まるのである。

第三者の目にははっきりと分かる事柄でも誤解から大きく方向がそれていく。

はらはらドキドキの連続になる。

国交も時としては誤解から大きな誤りを生む事になる。
誤解を生まない方法は、相手の事を知らなければならない。

知り尽くして、何に価値観をおいているのか、
何が重要事項か、何が本意か調べ尽くさなければならない。

これを怠り自国の価値判断だけで交渉をすると、現在の日中関係のようになる。