NYの不思議な店
マーケティング理論やマズローの5段階の欲求などで使われる手法です。
しかし、この「ハズバンド・ショップ」には驚きました。
さすがアメリカのマーケターの発想は素晴らしいと思います。
全世界に通じる話では無いのですがジョークの取り入れ方が朱越です。
NYに出来た「ハズバンド・ショップ」旦那ショップ
6階建てのお店で上に上がることはできるが下には降りられない。
上に上がるほど料金は高くなる。
1階の入り口には「仕事についている旦那」と書いてある。
勿論、それも大切だけど他の魅力も欲しいと思い上の2階に上がる。
その入り口には「仕事についていて、子供が好きな旦那」と
書かれていた。
どうせならその上の3階はどうなっているか気になり上に上がると
「仕事についており、子供好きで、かっこいい」と書いてあった。
これでも十分満足なのだが誘惑に負けてしまった。
勿論、その上の4階へも行きたくなり階段を上がると
「仕事について、子供好きで、かっこよくて、家事も手伝う」と書いてあった。
またまた欲は高まるばかりで満足いかないので上に上がった。
5階の入り口には「仕事について、子供好きで、かっこよくて、家事を手伝い、
ロマンチックな旦那」と書かれていた。
もうここまで来たら最後の階へ行きたくなり6階へと上がった。
「あなたで訪問者は31,000,456人目です。ここには旦那はいません」
このフロアには女性が満足できる旦那はいませんと書かれていたのである。
店に入る前に最初の注意書きに上には行けるが下にはいけないと書かれていた。
これはマーケティングの手法で世界的な時計メーカー・スオッチの
戦略として紹介されたのが最初である。お客様のニーズを聞いたのちに
こちらは最初に最上階の6階へと案内して美術品的な時計を見せる。
勿論、一般人には買えない高額商品である。
頭の中にはその価格が焼き付けられて、その後に5階へと移動する。
話題の時計がずらりと並べられているフロアは活気に溢れているが、
未だお金持ち以外は手が出せない価格である。
仕方なく4階へと移動すると一般的な高級時計に巡りあえる。
1階は観光客相手のお土産時計ばかりであることを知っているので、
2階まで降りて安い価格で決めるか、3階へ移動して拘りのビンテージ
時計を選ぶか悩んだ挙句に欲求と価格が合う3階で購入することにした。
アメリカの化粧石鹸の最大手ドゥーブが行った「リアルビューティー スケッチ」
雑誌、テレビ、広告、ソーシャルメディアなどで目にする、美しさの基準。
私たちはそんな”一般的”な価値観によって、自分自身の美しさを低く評価する
ことがあります。ダヴは、自分自身の容姿をもっと肯定的にとらえることが、
より幸せな毎日を送るための第一歩であると考えます。
そこで私たちは、ある実験を行いました。 「リアルビューティー スケッチ」
という大胆な実験は、米国連邦捜査局(FBI)の似顔絵捜査官のジル・ザモラ氏に、
女性の似顔絵を2枚ずつ描いてもらう、というものです。
まず、ひとりの女性に自分の容姿を描写してもらい、それに基づいてザモラ氏に
似顔絵を描いてもらいました。ザモラ氏に女性の姿は見えません。
次に、第三者の説明に基づいてザモラ氏が似顔絵を描き、本人と第三者の説明が
どう違うのかを観察してみました。その結果できあがったのは、2枚のまったく
異なる似顔絵でした。そして、第三者の描写に基づく似顔絵のほうが、美しく、
幸せそうで、事実に近い姿を表現していました。
あなたは、自分が思うよりも、ずっと美しい。世界中の多くの女性に、
自分の美しさに気づいてもらいたい。私たちはその願いを込めて、
女性が自分の似顔絵にどう反応し、自分に対する見方をどう変えていったかを
記録して、動画を制作しました。
マーケティングの手法に「返報の法則」と「フット・イン・ザ・ドア」
と言うのがあります。
返報性の法則とは、何かをしてもらった時に「自分もお返ししなければ」と
感じる心理のこと。例えばバレンタインにチョコレートをもらったら、
ホワイトデーにお返しをしなければと感じるのも、返報性の法則による
気持ちの変化です。お返しの文化は、日本人の常識として根付いています。
しかし返報性の法則が提唱されたのは、ロバート・B・チャルディーニ氏
(心理学・マーケティング学の教授)の著書『影響力の武器』の中。
年代も国籍も問わず、世界中で活用されている心理テクニックということです。
返報性の法則によるついお返ししたくなる気持ちは、マーケティングや
恋愛テクニックなど、あらゆる場面で活用されています。
例えば買い物でお店に入り階数ごとに案内されたら、その親切に応えなければ
ならないという心理が働き手ぶらでは帰れなくなる。
NYの「ハズバンド・ショップ」も「高級時計スオッチ」のケースも
顧客心理を見事に捉えています。
私は個人的に「リアルビューティー スケッチ」の手法に大賛成です。
本当のあなたの美しさは第三者が知っている。
素顔の美しさを保つために保湿石鹸「ダヴ」のキャンペーンは見事です。
フット・イン・ザ・ドア・テクニック(Foot-in-the-door technique)とは、
「最初に小さな要求を承諾させ、徐々にその要求を大きくしていく事で、
本当に承諾させたい要求へと近付けていく」
という交渉術であり、「段階的要請法」とも呼ばれます。
「フット・イン・ザ・ドア」という名前の由来は、
「セールスマンが玄関口から追い返されそうになった時に、
ドアと壁の間に足を挟んでそのドアを閉めさせないようにした」
という描写を語源とする、「get a foot in the door(上手く最初の一歩を踏み出す)」
から来ています。」
つまり、最初の小さな要求が「ドアの間に足を挟む」という事であり、
それを足掛かりにして「話を聞いてもらい」、最後には「セールス」という
本来の目的を達成しようとするテクニックだという事です。
原理:何故テクニックが有効なのか?
フット・イン・ザ・ドア・テクニックが実際に多くの人に通用する理由は、
「一貫性の原理」および「逐次接近法」によります。
一貫性の原理は、
「人は自分の信念や行動などに一貫性を持たせようとする」
という人の心理傾向です。
フット・イン・ザ・ドア・テクニックの場合は、最初に「小さな要求」を
承諾する事によって、後に「もう少し大きな要求」を提示された時に、
「前に似たような要求を受け入れたんだから、この要求も同じように
受け入れた方が良いんじゃないか・・・」と感じる事から、
「自分の行動に一貫性を持たせたい」という心理が働いていると言えます。
如何だったでしょうか。
くれぐれもお買い物時には相手の術中に嵌らないように注意して下さい。