笑うこと悲しむこと
人間は「喜怒哀楽」を持つ哺乳類サル科ヒトに属する。
誰にでも喜びも、怒りも、哀しみも、楽しむこともが備わっている。
シンプルに笑うことや悲しむことがいかに大切かを五木寛之氏が述べている。
「笑うことと悲しむこと」
※致知2012年12月号 五木寛之さん“大人の幸福論”より
明るく振る舞い、よく笑うほうがいい。
けれども性格的に無理な人もいるでしょう(笑)
ただ、いろいろな外国の本なんか読んでいて面白かったのは、
脳は人間の感情を支配しているけれども、
結構騙(だま)されやすいともいうんです。
だから人と明るく談笑したり、大笑いできないような人は、
一人鏡に向かって「アハハッ」と口を開けて笑うといいそうです。
すると脳はその楽しそうな顔を見て、
あぁこの人はいま喜んでいるんだなと錯覚するらしい。
喜び上手というのはとても大事です。
だけど同時に悲しみ上手も大事なんです。
最近はグリーフケアといって、人の悲しみに寄り添うことの
大切さが論じられるようになりましたが、悲しい時にはちゃんと悲しむこと、
泣くっていうことが大事なんです。
戦後よくなかったのは、なんでもプラス思考で、笑うこと、ユーモア、
明るい気持ち、前向きと、そんなことばかり持てはやしていることです。
でもそれは車の片方の車輪でしかない。
もう片方の深く悲しむ、嘆く、涙をこぼすことも大事なんです。
本居宣長も説いています。
人間は長く生きていると必ず悲しいことに出会うんだと。
悲しいことに出会ったら悲しいと思え。
ごまかさずに真っ直ぐ見据え、あぁ私は今悲しい、
悲しいって声に出して言え。人にも語れ、空に向って拝みもせよ。
それが昇華されて素晴らしい歌になるんだと。
ちゃんと悲しむということは、
笑うことと同じように大事なことなんです。
喜怒哀楽の感情が豊かな人は、人生を愉(たの)しむことができる人だ。
うれしいときには笑い、不正なことに憤(いきどお)り、
悲しいときには涙を流し、楽しいときにはともに愉しむことのできる人。
喜怒哀楽の感情を抑え込んでしまうと、
それはスタンプを集めるようにたまっていき、いつか爆発する。
『災難に逢ふ時節には災難に逢ふがよく候(そうろう)。
死ぬる時節には死ぬがよく候。
是(これ)はこれ災難をのがるる妙法にて候』(良寛禅師)
良寛さんは、災難をのがれる唯一の方法は、どんなにひどい状況になろうと、
そこでジタバタせず、すべてを受け入れ、淡々と生きることだと言った。
逃れられない運命だと悟ったら、その中に飛び込むしかない。
そして、悲しくなったら、ただただ思いっきり泣くことだ。
ちゃんと悲しむことは、笑うことと同じように大事なこと。
【人の心に灯をともす】より
フランスのドキュメンタリー映画「アニマル」
<ぼくたちと動物のこと>を鑑賞した。
イギリスの女の子とフランスの男の子が環境問題に取り組み、
そこで死んでいく動物たちをどうすれば絶滅から回避できる?
2人は解決策を探りに世界各地へ回った。
彼らの突撃レポートに逃げる議員、養鶏場の経営者との食糧問題、
ジャングルの開発で犠牲になった絶滅危惧種の話などを専門家に聞く、
大自然の美しさと共に子供の視線がよく理解できる作品です。
そして最後に動物たちのことを調べていくうちに人間のことが
よく理解できたと言い終わった。
私は現在「動物かんきょう会議」アニマルSDGsの一員として所属しています。
人間のエゴを優先するのではなく動物の気持ちになって環境を考える会です。
人類が快適な生活を追い求め、自分たちの欲望を満たしてきた結果、
世界は気候変動、戦争や紛争、貧困格差など明るい未来を描きにくい状況です。
専門家・科学者・環境活動家たちの多くは「人類が技術革新と経済成長の結果、
みずからを滅ぼしている現実」を嘆くばかりで、
解決の糸口がなかなか見えません。
予想を超えたスピードで世界が変化していく中で、
私たちは子供たちに何を教えたらよいのでしょうか?
「せかい?動物かんきょう会議」メソッドでは、さまざまな動物や生きもの
の立場にたち、多角的な視点で対話を重ねることで「考える基盤」を作ります。
AI時代を生きる世代に必要な3つの能力、
「創造力(自ら考え、自発的に行動する力)の向上」「自己肯定感の向上」
「自分と他者との関係性への気づきの醸成」が目的です。
今こそ、自らの未来を自らデザインするための技術と共生の思想を
伝えなければなりません。
現在、山口県宇部市と共同で小学校の授業として正式に取り上げられています。
地元のときわ動物園と組んで課外授業も執り行っています。
「動物かんきょう会議」の講習を受けた専任のインストラクターも大勢います。
既に中学生のインストラクターも育っています。
約27年間の研究成果が一冊の本になりました。
「どうぶつに聞いてみたーアニマルSDGs」
今こそ、発想を転換しよう!
アニマルSDGsは人間SDGsへの逆提案
人間中心の発想はもう限界。
地球上の哺乳類は重量比で人間34%、家畜62%、野生動物4%という
研究報告がある。人間と家畜をあわせると94%!その一方で、世界は気候変動、
紛争や戦争など悪化の一途をたどり明るい未来は描きにくい。
ほとんどの人間は「人類が技術革新と経済成長の結果、自らを滅ぼしている現実」
を嘆くばかりで改善の糸口は見えない状況……。
”もう、人間(おとな)だけにまかせちゃいられない!”
動物たちが、子どもからすべての人間たちへ語りかける。
動物たちは声を上げることも訴えることもできません。
我々人間の様に悲しんだり怒ったりの表現も出来ません。
子供たちが動物に成り切り動物たちの悲痛な叫びを訴えます。
SDGsカテゴリーの18番を加えることを提案します。
ドキュメンタリー映画「アニマル」の少年少女の環境問題に対する
疑問が世界中に届き、日本の子供達も立ち上がる時だと思います。
この地球は人間だけのものではありません。
笑うことと悲しむことが出来る人間が変えていかなければ
世界は何も変わらず何も動きません。