もしもという心理




モチベーションを上げる言葉の一つに「もしも私が」と架空設定をして
気持ちを高揚させる方法があります。
これはとても重要な考え方で挑戦に対する恐怖を取り除く効果があります。
多くの先人たちは、この「もしも私が」という言葉で大きな問題を
乗り越えてきた状況がいくつも見られます。

もしも私が聖人ならば多くの苦しむ民を救えたのに、
もしも私が国の王ならばこの国をもっと良くしたのに、
もしも私が哲学者ならば人を導く幸福の言葉を書き連ねたのになどです。

NLP心理学の中には「as if フレーム=もしも…だとしたら」という
スキルがあります。このスキルは、ある状況や問題を解決するための
有用な考え方で、あたかも目標や望む状態がすでに達成されたかのように
考えて、行動するというアプローチを行います。
これにより、新しい視点や解決策が明確になり、自信が向上することが
あります。以下に、具体的な 「as if フレーム」の使用例を挙げてみます。

プレゼンテーションの準備:
自分がすでに成功したプレゼンテーターであると思い込み、
そのように行動する。「もし私がTEDのステージに立つ経験豊富な
プレゼンテーターだったら、どのように準備し、発表するだろうか?」
と想像する。成りきりです。

新しい技能の習得:
未経験の分野でも、すでにそのスキルを身につけているかのように
振る舞う。目標とする人物を真似ることです。
「もし私がプロの写真家だったら、どのようにこの風景を捉えるだろうか?」
と考える。その為には憧れのカメラマンのピントの合わせ方を研究するのです。

自己信頼の向上:
自己疑念に悩まされているときに、「もし私が尊敬する〇〇さんだったら、
どのようにこの状況を対処するだろうか?」と想像し、そのように行動する。

これらの例はすべて、未来の可能性を具体的に想像することで、
現在の挑戦に対する新たなアプローチや解決策を見つける手段の一つになります。

なぜ教育の中に架空を想定して
「無理を乗り越える」精神的手段として取り入れないのか?
これはアジアの後進国の教育方法としてはとても重要です。
貧しいエリアでは十分な教育資材が無いために教師の言葉だけに頼ります。
その為に重要なことはイメージトレーニングです。
自分と違うものに成り切り自分ならこうするなという訓練です。
西洋的な教育ではこの定義がなく「もしも」は神の領域で
人間が考えないように封印してきた世界であった。

もし私が動物だったら!
もし私が総理大臣だったら!
もし僕が宇宙飛行士だったら!
もし僕が全知全能の神だったら!
事実ではあり得ない領域に足を踏み入れることになる。
人間の特権は想像力である。この力は人間以外には授かっていない。

正しい創造は「善から始まる」もし私も道徳的観念が無ければなりません。
経済的な価値は「三方良し」の考えが成立しなければなりません。

そして、今なぜ新札に「論語と算盤」の著者が使われたと思いますか?
今の時代だからこそ必要な【五徳】の教えをお伝えしているのです。

渋沢栄一「論語と算盤」旧札と新札。
それぞれを代表する有名な言葉があります。
「学びて富み、富みて学ぶ」
学びが富を生み、またその富で学んだものが成功する。
まさしく資本主義を象徴する20年間でした。
ですが、世界情勢は大きく揺れ、
多様な価値観が生まれ時代は大きく変わってきています。

その中での新札に切り替わるタイミング。
「論語と算盤」
つまり経済と道徳という矛盾した関係と見られがちだけど、
どちらも正しく両輪を動かしていかなければ
真の豊かさが手に入らないということ。

今この時代に必要な心の教育。
人としてもっと大切にしなければいけない考え方。
つまりあなた自身の人間としての生き方やあり方が問われています。
・外側の成功ばかり追いかけていませんか?
・情報に惑わされていませんか?
・自分が大切にしたい生き方を心の底から理解できていますか?
こんな時代だからこそ学ぶ必要がある学問。

私が若者たちに問いかける言葉として「無難に逃げるな」というのがあります。
困難・災難が起きた時に無難に逃げるなよ。難から逃げようとすると
一生困難・災難に付き纏われるから、難に向かって身体ごとぶつかるのだ。
私はそうしていくつもの難を乗り越えてきたのです。難が有るから感謝が生まれる。
「有難う」は難があるから感謝している言葉です。

昔の武士に中山鹿之助という人がいて「我に七難八苦を与えたまえ」
と言って戦いに臨んだ人がいる。死を迎えるかもしれない時に
未だ難を受け入れるその気持ちが心に響きました。
私の人生も決して恵まれているとは言えない環境でした。
勝てる方法はたった一つ甘んじて難を受け入れることでした。
自ら難を受け入れて強い自分を作り上げたのです。
一度も中途半端な安楽など求めたことはありません。

50歳の時に倒産と破産の経験をしました。
60歳の時に反日運動の為に中国へ投資していた全財産が失われました。
それでも笑顔で元気に過ごしている姿を見て苦境に立っている経営者が
何人も相談に乗ってほしいとやってきます。
取引先から金融機関から追い込まれて苦しい、友人や家族や親類からも
これからどうするのかと毎日叩かれています。
悩み事を聞いてから一言「社長鋼は何度もたたかれて名刀になる。
しかし叩いているハンマーを誰も名ハンマーとは言わない。
おめでとう社長は名刀になる機会を得たのですよ」

私の造語ですが「鋼は叩かれて名刀になる」と言う言葉を使っています。
大難に何度も叩かれて大人物になるから叩かれ続けろ。
難は逃げると付きまとわれるから難を受け入れて笑顔で過ごすのです。
難ありで有難と書きそれを10回唱えると「有難う」になります。
強く生きる為に授けられた呪文です。
いつでも難ありきで「ありがとう」を唱えましょう。合掌