愛別離苦




自己愛、家族愛、隣人愛、自然愛、動物愛、自由愛と
本物の愛は受け取ることだけを望むのでは無く与えることである。
恩愛、敬愛、慈愛、純愛、溺愛、愛慕、博愛と
恩を感じて敬い、慈しみ、純粋に溺れるほどの愛を共有することである。
愛にまつわる漢字は山ほどある。
それほどまでに人々には愛が必要なのである。

愛について仏教経典を解くとまずこの言葉が思い出されます。
「愛別離苦」愛する人と別れる苦しみ、四苦八苦の中の一つの苦です。

「四苦八苦」とは、四苦「生・老・病・死」と以下の四つが加わり八苦になります。
「愛別離苦」(あいべつりく)とは、大切な人や大好きな人であっても、
いつかは離れなければならない苦しみ。
「怨憎会苦」(おんぞうえく)とは、
逆に大嫌いな人、顔も見たくない人でも出会ってしまう苦しみ。
「求不得苦」(ぐふとっく)とは、求めるモノ・コトが手に入らない苦しみ。
嫉妬心と欲望にまみれる苦しみ。
「五蘊盛苦」(ごうんじょうく)とは自分の心や、自分の身体すら思い通りに
ならない苦しみ。健康が行動に繋がらない苦しみ。

この「四苦八苦」は人間が生きている上で避けては通れない
根源的な苦として表します。

そして私の座右の銘「愛語よく回転の力あり」道元禅師:
愛の言葉、優しい言葉はその人の人生も変える力がある。
道元禅師のこの言葉が「恩学」を描き始めるキッカケになったのです。

「面(むかい)いて愛語を聞くは、面(おもて)を喜ばしめ、心を楽しくする。
面(むか)わずして愛語を聞くは、肝に銘じ、魂に銘ずる。
愛語よく回天の力あることを学すべきなり。」道元禅師

面と向かって優しい言葉をかけられれば、自然と顔に喜びがあふれ、
心が楽しくなる。また、人づてに優しい言葉を聞いたら、
その言葉が心に刻まれ、魂がふるえる。

それは、愛語が人を愛する心から生まれ、人を愛する心が、
他人をたいせつに思う心の中から、芽生えてくるものだからです。
本当に、優しい言葉というのは、世界を変えるほどの力だということを、
私たちはよくよく学ばなければいけません。

希望を与える言葉は直接相手に伝えた方が心に響きます。
褒める言葉は直接よりも第三者を通じて伝えた方が心に響きます。
戒めの言葉は誰も居ない所で教える方が心に響きます。
伝え方を間違えれば相手に屈辱を与えることにもなります。
そして心に傷をつけてしまう事もあります。

愛といえばこの方を思い出します。
「嫌いな人ほど愛しなさい」マザー・テレサの言葉より

『あなたの中の最良のものを』
人は不合理、非論理、利己的です気にすることなく、人を愛しなさい。
あなたが善を行うと、利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう。
気にすることなく、善を行いなさい。

目的を達しようとするとき、邪魔立てする人に出会うでしょう。
気にすることなく、やり遂げなさい。
善い行いをしても、おそらく次の日には忘れられるでしょう。
気にすることなく、し続けなさい

あなたの正直さと誠実さとが、あなたを傷つけるでしょう。
気にすることなく、正直で誠実であり続けなさい。
あなたが作り上げたものが、壊されるでしょう気にすることなく、
作り続けなさい。

助けた相手から、恩知らずの仕打ちを受けるでしょう。
気にすることなく、助け続けなさい。
あなたの中の最良のものを、この世界に与えなさい。
たとえそれが十分でなくても気にすることなく、
最良のものをこの世界に与え続けなさい。

最後に振り返ると、結局はあなたにもわかるはず、
全てあなたと内なる神との間のことなのです。
あなたと他の人の間のことであったことは、一度もなかったのです。
マザー・テレサ

そうしてもう一人名前を上げるとすればガンジー以外にいません。
第一次世界大戦後のインド独立運動の指導者。第一次世界大戦後から
国民会議派を率いてインドの独立運動を、非暴力・不服従という戦術で展開し、
第二次大戦後に独立を達成した。
ヒンドゥー教徒とイスラーム教徒の融合を一生追求したが、
ヒンドゥー狂信者によって暗殺された。

チャルカで糸を紡ぐガンディー。
 Mohandas Karamchand Gandhi(1869-1948) 一般にはガンジーと表記する。
インド独立の父、マハートマ(偉大な魂の意味)といわれる。
第一次世界大戦後、非暴力・不服従を掲げたインドの反英闘争(20世紀)を開始、
国民会議派を率いて独立運動を展開し、激しい弾圧を受けながら、
第二次世界大戦後の1947年に独立を実現させた。

しかし、その独立は彼が念願した統一国家での独立ではなく、
パキスタンとの分離独立となり、失意のうちに翌年ヒンドゥー教徒過激派の
青年に暗殺された。
ガンジーは熱心なヒンドゥー教徒であったが、その真摯な姿はイスラーム教徒をも
引きつけ、またカースト外の不可触民を神の子(ハリジャン)と呼んで
その解放を訴えた。

如何だったでしょうか?
人生は愛から始まって愛に終わるのです。
そして、恩から始まって恩に終わります。
ひらがなは「あ・い・う・え・お」の「あい」から始まり、
最後は「を・ん」「おん」で終わります。
日本の全てが「愛」と「恩」に包まれているのです。