AIが小説を書く



先日、友人のロックシンガー伊丹谷良介とチャットGPTの話をした。
以前より精度が上がり使いやすくなったという事であった。
その場で試しに作詞を依頼してみると数秒もしないうちに出来上がった
好きなワードを入れるだけで完全にプロの作詞家レベルに達している。

またロック風とかポップス風とかジャンルを指定すると
それなりに加工された作詞が出来上がる。恐るべしである。

昨年LAの脚本家団体が猛反対してデモを起こした意味が分かる。
これだと過去の作品のデーターの組み合わせで脚本が何冊も作れてしまう。

米国の学生がテストの回答を、チャットGPTを使って提出したところ、
同じ回答の学生が数名もいたという事で話題になっていた。

その内に全問正解ではなく20%は間違ってほしいとか、
作詞もベテラン風ではなく素人風にして欲しいとか頼める時代が来る。
いや、もうすでにそうなっているかもしれない。

その上有料チャットGPTだとデザインやあらゆる図式も出てくるという。
商品パッケージやCDのカバーデザインが写真入りで出てくるという。

Z世代の子供たちは、創造力は無くてもモバイルを使えれば
プロと張り合う時代になる。誰よりも早く疑問が作れる子が優秀と言われる。
AIの進化はアマチュアとプロの垣根を取り外しスピードとセンスと
価格が折り合えば世界中から作品を集めることが出来る。

今やビジネスの会議では映像会議は当たり前、資料の受け渡しも画面上で
行われ、翻訳機能を使えば通訳なしで、世界中のスタッフと話が出来る。
高いコストを払ってデザイン事務所や代理店に頼んだりすることが無くなる。
その上出張費の削減も出来るので会社としては有難い話である。

恐るべし!チャットGPTですが、
しかし何と小説まで書いてしまい芥川賞まで受賞してしまった。

芥川賞を受賞した九段さんは1990年生まれ。2021年、「悪い音楽」で
第126回文学界新人賞を受賞し、デビューした。
21年発表の「Schoolgirl」が芥川賞候補、22年文芸春秋刊の同作単行本
(「悪い音楽」併録)で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。
また、23年発表の「しをかくうま」で野間文芸新人賞を受賞している。

会見では「書き続けるということは、やはり一人ではどうしても
難しいものですから。書き続ける力をくださる。
応援してくださる出版社の方、家族、友人、楽しみに読んでくださる
方々にありがとうございますとお伝えしたいです。
とにかくうれしい、感謝を伝えたいという気持ちでおります」と
緊張の表情で喜びをかみしめた。

また、AI時代に小説を書く意義を問われ、「今回の小説に関してはAIとか
チャットGPTとかを駆使して書いた小説でして。
全体の5%くらいは生成AIの文章をそのまま使っているところがある。
うまくこれからも利用しながら、かつ、自分の創造性を発揮できるような。
うまく付き合っていきたいと考えております」と述べた。

自身の生活で「誰にも言えないようなことを人工知能に相談したりした
ことはありますね」と振り返り、
「AIが期待したことを言ってくれなかったりした場合に、主人公のセリフに
反映させてみたりということはいくつもありました」と語った。

私も試しにチャットGPTで小説を書いてみた。

作風は倉田百三(くらたももぞう)
テーマは「愛と認識の出発」を入力した。

「遠い未来の都市、認識の進んだ社会に住む若き哲学者、倉田百蔵は、
愛に関する新しい理論を模索していた。彼は都市の喧騒を離れ、
自然の中で静かなひと時を過ごすことを決意した。

山小屋に到着した百蔵は、自然と対話し、内なる認識の深さに気づきました。
ある日、彼は森の中で出会った神秘的な存在から愛について啓示を受けます。
この出会いが百蔵の新しい哲学的考えを生み出す原点となったのです。

百蔵は新しい認識の視点から愛を探究し、社会においても新たな価値を
提案しました。彼の言葉と考えは次第に広まり、人々は彼の哲学に共感し、
新たな出発への意識が広がっていった。」

これは架空の物語であり、倉田百蔵の具体的な著作を基にしていませんが、
愛と認識に焦点を当て、新しい出発への旅を描いています。

この文章が1~2秒で回答されたのです。
もっと素材を提供すれば次から次に新しい文章が提案されます。

AIを好きだ嫌いだという時代ではなく使いこなせるかが重要です。
チャットGPTを使えば、この「恩学」のブログも数秒で書けることになる。

SNS上で交わされる「感動した話」「泣ける話」「救いの話」など、
事実かフェイクか分からなくなります。
ますます子供たちの感情から人間らしさが消えてしまいます。

メタバースの中では恋愛も結婚もできるという。
その内に架空の世界で子供を持っこともできる。

しかし、いくらチャットGPTが使いこなせても我々が食べる食料は作れない。
耕す行為は人間が汗水流して労働の結果でしか生まれて来ないからである。
早急にAIと人間の共存を真剣に考えなければならない。

近未来はもう手の届くところまで来ています。
ザ・クリエイター/創造者が現実の世界へ。