PLUTO




某大学教授から「PLUTO」を見た事がありますかと連絡があった。
彼は孫にNetflixでこの映画を勧めたところ
一晩で全作(8話)を見たということであった。
私は、基本的にアニメは見ないタイプなのだが休みを利用して見ました。

結論は近未来の哲学であった。
そして面白かったというのが率直な感想です。
元々原作の「アトム」は、今は亡き手塚治虫さんが書き上げた漫画だが、
今回のアニメ映画の浦沢直樹監督と並記でクレジットされていた。

物語の翻訳とは何か?
<いま現在を生きる人びとの切実な問題に変換してみせる>
ことと考えている。『PLUTO』であれば、60年前のロボットの悲劇を
AIという最新技術と共存していく現代社会に、全米ヒットとなった
『ゴジラ−1.0』は、戦争のトラウマを持つ帰還兵の葛藤が
現代的なテーマとして捉えられたことだろう。

人間以上のロボットとは平和のための活用ではなくなり、
より人間に近い思考と感情が備わっているロボットなのです。
人間の都合で作った高性能なロボットが反乱を起こし
制御が効かなくなり平和型ロボットを全て破壊してしまった。
平和型ロボットのアトムもその中に含まれていたのだが、
お茶の水博士からバトンを受けた龍野博士に新しい生命を
入れてもらい高性能ロボットとして生き返った。

背景
『鉄腕アトム』の主人公であるアトムは、
作中の2003年4月7日にこの世に生を受けたと設定されている。
現実社会における2003年にはアニメ化第3シリーズ
『アストロボーイ・鉄腕アトム』放送などアトム生誕記念
イベントが催された。本作もそうした企画のひとつとしてスタートした。
作者の浦沢直樹が生まれて初めて漫画で感動した作品が『鉄腕アトム』の
エピソードのひとつである「地上最大のロボット」であった。

浦沢監督曰く、
「5歳で初めて読んだ時から、全漫画の中央に鎮座するというイメージがある」
「その時感じた得体のしれない”切なさ”を、一生かけて突き詰めようとする感覚がある」と語っている。

その作品をリメイクするという発想は無かったが、漫画界全体で
アトム生誕を祝うため、手塚プロダクションから相談を受けた際、
軽い気持ちで『地上最大のロボット』をリメイクするくらいの、
気骨のある漫画家はいないもんかね」とこぼしたことから、
大それたことだと思いながらも、浦沢自身が描くことになった。

2002年冬、浦沢は手塚治虫の息子である手塚眞にその許諾を求める。
手塚は、一度はこれを断るものの、
その後の浦沢の熱心なラブコールに心を動かされ、2003年3月28日に
「地上最大のロボット」のリメイクを了承する。
同年9月より『ビッグコミックオリジナル』にて連載がスタートした。

「漫画の神様」といわれる手塚治虫の作品を
別の漫画家が描く事はそれまでご法度とされていた。
リメイクを了承した手塚眞は「やるんだったら、
浦沢さんの代表作になるようなものにしてください」と伝え、
単なるオマージュ作品ではなく浦沢作品として本作を描くことを要望した。
浦沢は『20世紀少年』と同じく長崎尚志プロデューサーと組み、
人間と高性能ロボットが完全に共生する
近未来で起こるSFサスペンスドラマとして描いた。

作中の設定は連載開始当時ニュースをにぎわせていたイラク戦争を
反映したものとなっており、アトムをはじめとするキャラクターデザインや
ストーリー設定の一部には浦沢流のアレンジが加えられている。
手塚治虫の原作では少年ロボット「アトム」が主人公ではあるが、
浦沢直樹版では原作で脇役として登場したドイツの刑事ロボット
「ゲジヒト」の視点から物語が描かれている。

また、原作『鉄腕アトム』のほかの回で登場したキャラクターや、
鉄腕アトム以外の手塚作品で登場したキャラクターに似たキャラクターが
登場したり、ゲジヒトとアトムが立ち寄った喫茶店の名前が
「TOKIWA」であったりする。

ここまで読むと一気に「PLUTO」見たくなりませんか?
同居人の冷たい視線を浴びながら空いている時間をすべて鑑賞にあてました。
ここに近未来があると感じました。

今の世の中手塚治虫が描いた漫画の世界が
現実社会で実現されていることに驚きます。
この「PLUTO」の未来予想もその通りになるのでしょうね。
そしてこのリメイク版を手掛けた浦沢直樹監督に大拍手です。
きっとあなたも鑑賞後には誰かに話したくなる作品です。