自分の人生




誰に何を言われようと自分の人生を生きる。
これは難しいことですか?
自分が分からなければいつまで経っても自分の人生は生きられません。
母親の体から生まれ、父親の加護で大きくなった。
しかし感謝はすれど従順な子供のままではいられない。
早く大人にならねばと期待が大きく膨らむ。
生きるとは、幸せとは、自分とは、を探す哲学的な疑問が溢れ出てくる。

生きる意味は、幸せであること。
誰かと比べて幸せだとか、他人から見て幸せそうだとか、
そんなことは関係ありません。自分が幸せだと感じられることが大切なのです。
先入観にとらわれた心は、認識がゆがめられ、自由を失っている状態です。
自由を失うと、自分自身をも見失います。
本当に幸せであるためには、とらわれた心を自由にすること。
その価値観を身につけることが、大切なのです。

人と比べてやっかむことを、フランス語でルサンチマンといいます。
(深い恨みや劣等感、未消化の怨恨や嫉妬を表す心理学的な用語)
誰かより優位に立つことが目的になると、必要のないことに
お金をつぎ込んだりして、真の幸せから遠ざかるのです。
自分を卑下する価値観にすがりつくことも、幸せから遠ざかります。
人と比べることは、自分を幸せにはしないのです。

新しい自分に変わりたい。心機一転、新しいことを始めたい。
そんな思いとは裏腹に、ぐずぐずと変われないでいる現実。
どれもきっちりと終わらせることが大切です。始めることばかりに意識を
とられがちですが、ケリをつけることも同じくらいに重要なのです。
努力はいずれ報われる。そう信じていると、不得意なことに時間や労力を
費やすことになり、無駄な努力となってしまいます。

つらく感じるロジックを正しく理解すれば、「そういうものだ」と
受け入れられるようになります。

多様な意見を取り入れ、多面的な考察を経てこそ、クオリティの
高い意思決定ができるのです。

社会や周囲の人間からの圧力で、自分の行動を変えていませんか。
その行動が自分の信条に反するものであるほど葛藤に苦しむことになります。

むしろ、白黒はっきりしないことのほうが多いのが現実です。
完全な正解を求めないことは、あなた自身の心を軽くするためにも、
賢明な選択なのです。
成り行きに任せ、なるようになると開き直ること。
そうすると、案外満足のいく解答が得られたりするものです。

そして禅語にはその解決方法として9つの教えがあります。

1.看脚照顧(きゃっかしょうこ)
「足下に目を向ける」
人は他のことに気を取られていると、目の前にあるものでも
気がつかないことがあります。
遠くばかりに目を向けていないで、自分の近くも見てみましょう。
前の人の背中ばかり追いかけていないで、自分の足下にも
目を向けてみましょう。時には自分の立ち位置を見つめて、
今ある物を意識してみるのです。
ずっと探していたものは、すでに手にしているのかもしれませんよ。

2.明珠在手(みょうじょうたなごころにあり)
「幸せはすでにある」
明珠とはかけがえのない大切なもののことです。
幸せはここではない、どこか遠くにあると考えがちです。
何かを成さなければ手に入らないものだと考えてしまいます。
幸せとは手に入れるものではなく、気づくもの。
すでに在るものなのです。

3.無事是貴人(ぶじこれきにん)
「そのままでいい」
他人と比べると、自分の短所や自分に足りないものを意識してしまいます。
自分にないものを求めなくていいのです。
求めなくても、すでに沢山のものを持っています。
誰かになろうとしなくてもいいのです。
あなたはあなたのままでいいのです。

4.名利共休(みょうりともにきゅうす)
「名誉もお金も追い求めない」
豊かな人生を送るのに、必要以上の物やお金は必要ありません。
有名になりたい虚栄心を満たすための名誉はいらないのです。
幸せや満たされぬ思いを、他人や自分の外に見出しても仕方ありません。
本当に望むものは得られないでしょう。

5.放下着(ほうげじゃく)
「執着を手放す」
物やお金を所有すること。肩書きや立場にしがみつくこと。
不要な考えや価値観に縛られること。
それら全て、捨ててしまいましょう。
手放してこそ得られる豊かさがあるのです。

6.善をも思わず 悪をも思わず
「全てを善悪で考えない」
自分を肯定してくれる人は味方、そうでなければ敵。
そうやって何事も善か悪か、白か黒に色分けしていると、
あるはずの沢山のものが見えなくなります。
白と黒の間には無数の色があります。十人十色、
人の数だけ色があるのです。

7.歳月不待人(さいげつひとをまたず)
「時間は無情にも過ぎゆく」
こちらの都合など気にせずに、時間は常に進み続けます。
どのように過ごしたとしても、等しく同じ時を刻みます。
過ぎた過去を後悔しても、時間が戻ることもありません。
どんな結果になっても悔いのないよう生きるしかないのです。
今を否定することなく、ただ懸命に生きるのです。

8.人間到処有青山(じんかんいたるところせいざんあり)
「どこにでも望むものはある」
今いる場所だけが全てではありません。
今から目指す場所だけが望みを叶えられるところではないのです。
どこへ行こうと、思うように生きられます。「どこか」ではなく、
そこで何をするかが大事なのではないでしょうか。

9.春来草自生(はるきたらばくさおのずからしょうず)
「時が来れば自然と事は運ぶ」
春が来れば自然と草木が生えるように、どんなものにも変化の時が
訪れます、やれるだけのことやったなら、あとは待つことも必要です。
最短距離を進むことが最良だとは限りません。
焦らずに、自分のペースで歩いていけばいいのです。

如何でしょうか?
恩学はあなたの人生ドライブのハンドルの役目です。
いつでもアクセルを踏むのはあなたです。
運転ルールを頭にいっぱい詰め込んでも、
車を動かせず止まったままでは何も変わりません。
勿論、ハンドルも役に立ちません。

「知行合一」知識と行動は同時にやらなければ意味がありません。
今日も安全運転で一日をお過ごしください。