愛から始まる国です。




あいうえお
かきくけこ
さしすせそ
たちつてと
なにぬねの
はひふへほ
まみむめも
やいゆえよ
らりるれろ
わゐうゑを


にほんのひらがなはあい(愛)から始まりをん(恩)で終わります。
私がいつもテーマにしていることです。
優しさから始まり有難うで終わる国なのです。
恩に始まり恩に終わるのです。

日本語は「ん」を含む51音になっています。ガやパの濁音・半濁音を加えると
76音を作っています。アルファベットの26文字に比べると覚えるのが大変です。
加えて、漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット、数字、絵文字で6表記の国です。
読み方も左から書くメールや書類などの通常の書き方と、右から縦文字で書く書道や
古文書などの書き方もあります。世界広しといえど、右も、左も、縦も使って
表記するのは日本だけです。そんな国だから詩や、俳句や短歌や川柳などの表現文化が
育まれてきたのです。

愛は「気」です。父と母の愛で生まれたのが私たちです。
命は「気」です。命の気だから、息(いき)をするから「生きる」です。
気は木のように空に向かって伸びていって空気と繋がり、地中に根を張っていろいろな
根っこと繋がると、根気になります。
根気がつくと元気になります。元気になると勇気が起こります。

有難うは許すことから始まります。
心を許すから、相手のことは何もかも許してしまうのです。
許すは、言偏に午(うま)と書きます。午の字は十二支の真ん中にある文字です。
午前・午後を言い表し、午を中心に前と後ろがあるのです。
君とはウマが合うね、きっとウマく行くよ、これウマいねなどに繋がります。
認め合うから人間関係がウマく行くのです。

お金を足すことばかり考えると「針」という文字になります。
針は人を刺します。人を刺してまでお金を儲ける必要はありません。
「小欲知足」自分に必要な分で足りていると思えば十分なのです。
奪い合えば足りず、分け合えば余る。簡単なことなのですがこれが出来ません。
一人では乗れない車を何台も買い求める人、着れない服を何着も買い求める人、
履けない靴を何足も買いそろえる人、針だらけになって嫌われるのです。

忙しいという漢字は心を忘れると書きます。人の心を忘れると悪魔になります。
悪魔という「魔」は嫌われます。私も心を忘れて嫌われたことがあります。
しかし人は、誰でもが、時間、空間、瞬間という間に生きています。
それらを包んでいるのが世の中の世間という文字です。
間(ま)は「あいだ」とも読みます。そう間は「愛だ」なのです。
誰かが喧嘩を始めると「ま、ま、ま」と間に入ります。少しは落ち着きなさいと
「ま」を連呼します。親しい仲間が間に入り仲裁してくれるのです。

命という文字は人を一つ叩くと書いています。毎日・毎時間・毎秒心臓を叩いてくれて
いるから生きていけるのです。赤ん坊が生まれてすぐ泣くのは、それをきっかけに
息呼吸が始まるのです。泣かない子にはお尻を叩き泣かさないと死んでしまいます。
我々は命をいただき大切な人生を生きているのです。

咲くは、花が咲く(さく)と読みますが咲くは「笑う」とも表現しました。
花を見て満開に咲いている景色を見て怒り出す人はいません。
桜や桃やチューリップやヒヤシンスなどが咲くと長い冬が終わり、
いよいよ春になるという兆しに笑みが溢れるのは仕方ないことです。
ちなみに「山が笑う」は俳句の春の季語です。
新緑を前に新芽が出始める時を笑うと表現した日本人は本当にすごいと思います。

日本は山の幸に恵まれ、海の幸に恵まれ、自然の果樹にも恵まれた国です。
その上に日本は四季があり色とりどりの草花を咲かせてくれるのです。
争いのなかった縄文時代、奪い合うことを知った弥生時代、自分達の財産を守ろうとした
鎌倉時代、領土を広げようとして始まった戦国時代、文化の百花繚乱を謳歌した江戸時代、
無理やりに開国を迫られた江戸時代後期から明治初期。

平和と文化芸術を愛した日本人が他国の侵略により戦に引っ張り出された。
武士がこの国を治めるようになってから「潔く死ぬことが美徳」となった。
愛国心という名のもとに多くの若者が犠牲となった。

現代は経済戦争とテクノロジーの時代である。ビジネスの世界では常に最前線にいる
企業だけが利益を上げている。全てが数値で管理され豊かさを求める論説は
詭弁だらけである。日本人が日本人を嘘でコントロールしているのです。

だからこそ今一度日本人の心を学び直し、
日本のあるべき姿を若者たちと作り出さなければならない。
2024年は積極的に「恩学」を広めていきたいと思います。

愛から始まり恩で終わる国です。
この国を愛してこの国を守りましょう。

2024年元旦