女優と読書




「芦田愛菜」天才子役は只者ではない。
現在慶應義塾大学大学院法学研究科・法学部に在籍
子供の頃の面影を残しながらも親しみやすい笑顔は健在である。
最近ではテレビコマーシャルで見ない日はないほどの売れっ子である。
同じように綾瀬はるかもテレビコマーシャルで見ない日は無いのですが、
彼女の魅力は役になりきれることと映像映えがすることです。
これは女優にとってとても大切なことです。

その昔、国民的女優の吉永小百合が大学受験を発表した時には、
女優に学問は不要という風潮があった。1965年(昭和40年)
大学入学資格検定に全科目合格は出来ていなかったが、
早稲田大学に高卒と同等以上の学力があると認められ、
早稲田大学第二文学部西洋史学専修に入学。
(俳優業多忙のため、精華学園女子高校は中退していた)

「芦田愛菜天皇陛下即位に対する祝辞」
2分半のスピーチを披露(一部抜粋)

陛下は松尾芭蕉の「奥の細道」をお読みになったことがきっかけで
水にご関心を持たれ、長きにわたってご研究をなさっているとお聞きしました。
そして、水を通して世界のさまざまな問題をとらえ、
そのことが平和につながるとのお考えをお持ちであると知るに至りました。

私も大好きな読書を通じ、知識を得ること、そしてその知識を踏まえて、
行動に移す、その事が大切であるのではないかと考えるようになりました。
陛下の御心を受け、どんな事でも思い立ったことは迷わず
実行できるようになりたい、そう思っております。

新元号「令和」は、万葉集からの出典だったという事を知り、
昔の日本の書物から新しい時代の元号が作られるということは、
なんて素敵なことなんだろうと深く感動しております。
古くからわが国に伝わる文化を大切にしつつ、新しい日本へと躍進していく、
そんな時代になっていくことを切に願っております。
最後になりますが、いつまでも両陛下がお健やかであられますよう
お祈り申し上げ、御祝いの言葉といたします。
令和元年 十一月九日 芦田愛菜(15歳)

一説によるとこの文章は芦田愛菜が書いたとされていて、スピーチと合わせて
大変な評価を受けているそうです。芦田愛菜は高校・大学と目指す位置が
明確にあり、仕事と学業を両立させていたのです。
CMは短時間で済むので仕事は受けていたのですが、
ドラマは長時間の拘束があるのでお断りをしていたということです。
今回、大学入学をキッカケに女優業も再開するという事で、
来年はすでに主演ドラマが数本決まっているとのことです。

それと芦田愛菜の読書好きも評判で先日も作家五木寛之と本のことについて
対談を行なっていた。

〔超異世代対談〕芦田愛菜さん × 五木寛之さん 「本は幸せの架け橋」(中編)
 家庭画報「カルチャー&ホビー」から抜粋

文壇の重鎮、五木寛之さん91歳と、俳優にして現役大学生の芦田愛菜さん
19歳。ご本人たちも驚く超異世代対談は、活字中毒という共通項もあり、
72歳の年齢差を感じさせないものに。和やかなやり取りから、
お二人にとっての幸せはいつも、本とともにあることが伝わりました。

五木 取り上げている本が一定の傾向に沿っていなくて、手あたり次第というか、
雑ないい方をするとそうなるけど、よくいえば、ものすごく幅広くて、
その偏見のなさに感動しました。『古事記』や『日本書紀』から始まって、
『赤毛のアン』もあれば、村上春樹さん、百田尚樹さんの本もあり、
古典も現代も、右も左も関係なく読んでらっしゃる。
その幅の広さにはびっくり。

芦田 恐れ入ります。確かにやや手あたり次第に読んでいるようなところは
あるかもしれません。

五木 今の学校教育だと、どうしても、読む本の傾向が決まってきてしまう
ものなんですけどね。遠藤周作さんが対談のとき、「自分がいちばん幸せだと
思うのは、子どものときに、あれは読んじゃいけない、これはダメと、
一切いわれなかったことだ」とおっしゃってましたけど、そういう意味で、
芦田さんは自由にのびのびと、いろんな本を読んでらっしゃるから、
ほんとに幸せだと思うな。

芦田 私は今大学生なのですが、先生はどんな大学生活を送られましたか。

五木 僕は1952年に大学に入ったんですが、当時の学生はみんな貧しくて、
生活していくのが大変でね。親の援助がある人も、少ない仕送りのなかで
1か月間、どうやりくりするか頭を悩ませていて。そういうフィジカルな
問題で、みんな必死でした。当時、皇居近くに学生援護会という団体の
建物があってね、朝の6時、7時に行くと、その日のアルバイトを斡旋して 
もらえたんです。でも、大勢集まるので、なかなか全員にはいきわたらない。
あぶれると、製薬会社に血を売りに行ったこともある。
200ccで400円くらいだったと思うけど、比重が足りないと断られることも
あってね。血を買ってもらうのもダメかと肩を落として帰ったこともあって。

芦田 今の私たちには想像ができないです。

芦田 私は本を開くと、別の世界にいける気がするというか、なんかこう、
   没頭できるところが好きで読んでいる気がします。よく、「悲しいときに
   読みたくなる本は何ですか」といった質問をされるんですが、
   あまり思いつかないんです。私はこういう気持ちのときはこの本を読む、
   といった見方で、本をとらえたことはないかもしれません。

五木 そう、本はそんなに便利な道具じゃないですからね。読んだことで、
   かえって気持ちが沈んだり、暗くなったりすることもあります。
   今、ドストエフスキーがすごく人気だけど、落ち込んでいるときに励まして
   もらおうと思って読んだら、かえってつらくなる人もいるかも。

芦田 そうですね。ただ、テーマが重い本でも、「自分はこのテーマを
   どう思うだろう」と考えながら読むと、落ち込むことはないので、それが
   本の不思議なところだとも思います。私にとって読書は、用意された食事を
   食べるのではなく、材料だけ用意されていて、好きに調理していいよ、
   といわれている感覚なんですね。だから、その本の世界に浸ることも
   ありますが、それ以上に、自分が本の内容について考えることで満たされる
   気がします。

芦田愛菜(俳優)2004年兵庫県生まれ。5歳でドラマ『Mother』に出演し、脚光を
浴びる。『マルモのおきて』で連続ドラマ初主演。現在、映画、TV、CM等で幅広く活躍中。

第34回日本アカデミー賞新人俳優賞、第54回ブルーリボン賞新人賞ほか受賞歴多数。

15歳で初の著書『まなの本棚』を上梓。

五木寛之(作家)1932年福岡県生まれ。早稲田大学文学部ロシア文学科中退。
1966年『さらばモスクワ愚連隊』でデビュー。1967年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞受賞。

代表作に『青春の門』『大河の一滴』『親鸞』など。『七〇歳年下の君たちへ』は高校生、大学生との対話集。近著に『新・地図のない旅』(全3巻)。

家庭画報「カルチャー&ホビー」から抜粋

私は子供の頃は勉強もせずに家の手伝いばかりしていました。
全校生徒550人弱(当時は1クラス40数人が当たり前で、12クラス~13クラス)中、
成績はいつも250~280番目だったと記憶している。
勉強もせずにそれなのによく高校も大学にも入れたものです。
1972年に英国から戻りCBSSONYへ入ってからは音楽誌、情報誌、業界誌、
ベストセラーの本、本屋の山積みの本も、海外のファッション誌も、映画雑誌まで
手当たり次第読んでいました。

しかし読書狂いになったキッカケは2000年に人生最悪の危機迎えた時からです。
哲学書、宗教本、偉人伝、歴史本、ビジネス本などジャンルを問わずに
多数読み漁りました。ハーバードビジネスレビューはほぼ全集読み終えたと思います。
不思議なことに今まで使っていなかった脳が、スポンジが水を吸うように読書内容を
吸収していったのです。脳は年齢に関係なく記憶できることに自分で驚きました

読書の面白さは作家が意図する世界へタイムトリップが出来ることです。
そこから中心人物に乗り移り思索の世界へ誘われることです。
時代背景や人物の生き方や物事の捉え方に、関心が高まれば昼夜問わず
一気に読み終えることにしています。

私の特技は同時に4〜5冊読めることです。そうすることで内容と文字に飽きが
こないようにしています。誰よりも早く大量に読むことによって、自分の人生の価値観や
過去の過ちを調べたかったのも要因としてあります。
読書はお芝居を見ると同じで映像が目の前に現れます。夢で何度も再現されました。
私の人生は本なしでは存在しなかったと思います。
皆様も今月は何冊読むぞと目標を決めて読書に努めてください。
きっと人生の役に立つことだと思います。

素晴らしい女優の演技を見るような気分で読み始めてください。