大いなる旅路




若者たちへ忍耐の大切さを教えたい。
耐えることから生まれる自信の物語を味わいさせたい。
誰も挑戦しない物語の数々を作り出してほしい。
大きさや遠さでは無く自分が冒険をするという気持ちが大切です。

学生時代に読んだ五木寛之の「青年は荒野を目指す」を読んで北回りでロンドンへ
行った。日本へ戻った時に沢木耕太郎の「深夜特急」を読み、

バスで香港からインド経由でロンドンに辿り着くたびに憧れた。

社会人になり働き始めてからも毎年海外へ行くことが楽しみだった。
出張でNYやLAへも度々行った。自費で中国・韓国・香港・ハワイへも行った。
猛烈に働いたのは旅費を稼ぐためでもあったのかもしれない。

その後に読んだ開高健の「オーパ!」と国分拓の「ガリンペイロ」を読んで
一度は必ずブラジルに行きたいと思うようになった。

開高 健(かいこうたけし)
「オーパ!」は作家、開高健のブラジル釣り紀行である。多数の写真に彩られて派手な
外見をした本である。熱帯の魚その他の動植物や風景が被写体であるから、

豊かな色彩にあふれているのは当然であろう。「オーパ!」とは、驚いたり感嘆したりするときに
ブラジルの人たちが発する言葉だそうだ。

 献辞には次のように記されている。

何かの事情があって
野外へ出られない人、
海外へいけない人、
鳥獣虫魚の話の好きな人、
人間や議論に絶望した人、
雨の日の釣師・・・・
すべて
書斎にいるときの
私に似た人たちのために贈る。

ブラジルでは、何もかもが桁違いなのである。河やジャングルのみならず、そこに
生息するものたちの種類・量・大きさが、私たちの日常の物差しはまったく役に
立たないような圧倒的なとめどなさ、果てしなさで迫ってくる。
ブラジリアという人工都市にさえ、それはあてはまる。

そんな、釣師の法螺話の調子がぴったりくるような土地を、著者は1977年の夏、
約70日間にわたって旅をした。恐ろしい牙のような歯で知られる殺し屋ピラーニャ。
最大体長5メートル、体重200キロにも達するという巨魚ピラルクー。
尾のつけ根に美しいホクロをもつトクナレ。それらの魚を求めて。

「ドラド」という鮭に似た全身金色の猛魚は、釣師に対して激しく抵抗する。
その様子を著者は、「渾身の跳躍。不屈の闘志。濫費を惜しまぬ華麗。
生が悔いを知ることなく蕩尽される。」と表現している。

国分拓「ガリンペイロ」
ブラジル・アマゾン川流域の奥地にある、名前を口にしてはいけない場所。
そこには、《黄金の悪魔(ジャブ・デ・オーロ)》と呼ばれる男が所有する闇の
金鉱山と、一発逆転を狙う荒くれ者たちがいた――。
本書は2016年に『NHKスぺシャル』で放送された「大アマゾン」シリーズの第二集
「ガリンペイロ 黄金を求める男たち」を書籍化したノンフィクションだ。

「最初にガリンペイロ=金掘り男の存在を知ったのは、1999年に環境問題の取材で、
ブラジルに行ったときです。ある川の奥深くに、川底を攫(さら)って金を取っている
男たちがいる、と耳にしました。実際に向かうと、おびただしい量の船と、
船上で暮らす人々がいた。奥地なので他になにもなく、船上に雑貨屋や娼館まで
ありました」 いつか取材したい、との思いを持った国分さんは、2014年、
「大アマゾン」の取材で同じ場所に向かった。しかし、到着した時にはすべてが
摘発され、もぬけの殻になっていたという。

私が知っている「ガリンペイロ」は宝石採掘の男たちの物語です。
地球の内部へ、人一人しか入れないほどの小さな縦穴を掘り、体に巻き付けたロープ
一本でダイヤモンドやルビーなどの宝石を採掘する男たちの話です。
宝石は見つかる確率が低いのに命を懸けて何日も掘り続ける。駄目な場合にはまた別の
穴を掘り続けるのである。プロデューサーになりたての頃ヒット曲を作る心境と
重ね合わせて男のロマンを感じたのです。

1980年後半にフジテレビから電話がありアイドルの写真集の撮影でブラジルへ行くから
とお誘いがあった。そのアイドルの所属会社は別のレコード会社であったが、
稲葉がおニャン子のメインプロデューサー(?)だから立ち会うようにと言う事で
あった。もうCBSSONYの役員には了解を取っているから、用意するようにと言う事で、
予てから念願のブラジル行が決まった。それもリオのカーニバルのタイミングである。
ホテルで同室になった秋元康とジャングルに迷い込んだ兵隊とおかまクラブのママの
コスプレで多いに盛り上がった。(どちらがどのコスプレかは想像に任せます)

本当はアマゾン探検をしたかったのだが、その後フジテレビのプロデューサーから、
折角だからアルゼンチンへ行って生のタンゴを見に行こうという話になって
仕方なくアルゼンチンへ飛んだ。

しかし、また折角アルゼンチンに居るのだから、オランダ経由でロンドンへ行こうという
とんでもない提案があった。つい最近上演された「オペラ座の怪人」が評判だから
我々も見に行かなければならない。私はその都度、上司に連絡をして「お前はどこの
会社の社員」だと嫌味を言われていました。無理も無いですよね。

海外へ出かけていくキッカケは映像からの情報より書籍からの情報の方が多かった
気がします。映像だとイメージが限定されてしまうので、

本で読んでイメージを膨らませる方が興奮しました。飛行機に乗る前も、現地に到着した時も、

町中を歩き回った時も、自分のイメージの確認をして行動していたのです。

旅から学ぶことはとても多いのです。あらゆる国や町へ旅して思うことは自分の物語を
自分で作れる楽しみがあるからです。予期せぬトラブルがあっても自分で解決する力も
得ることが出来るようになるのです。
乗り換えの待ち時間、いつまでたっても来ないバス、得体のしれないまずい飯、

ギャングに囲まれて九死に一生を負ったこと、楽な観光旅行ではないので危険は当たり前です。

若者たちへ忍耐の大切さを教えたい。
耐えることから生まれる自信の物語を味わいさせたい。
誰も挑戦しない物語の数々を作り出してほしい。
大きさや遠さでは無く自分が冒険をするという気持ちが大切です。

一人で行っても、仲間と行っても、旅は人間を大きく成長させてくれます。

港で外国船を見るより外国船に乗って港を振り返る方が人生にとっては重要です。
それではBon Voyage(ボン・ヴォヤージュ)良い旅を!