戦争と音楽

 

戦いの中で音楽は必要だろうか。

殺意が生まれた中で音楽は必要だろうか。

略奪と破壊行為の中で音楽は必要だろうか。

武器を捨て音楽で戦う事はできないのだろうか。

破壊行為の中で音楽は無力だが、創造行為の中では音楽は有力となる。

疲弊しきった精神には音楽が必要である。
悲しみで傷ついた心には音楽が必要である。
平和と自由を求める時には音楽が必要である。

水と空気と同じように取りこまなければならないのは音楽である。

国や民衆は追いつめられると必ず武器を取り戦う。
その中でいつも犠牲になるのが武器を取らない女性や子供と老人です。

自分達を守るための武器が身近な家族を犠牲にしてしまう。
同時に平和と自由を叫びながら相手国の家族も犠牲にしてしまうのです。

戦争は未来を作る子供たちから夢や希望を奪ってしまう。
戦争は子供達の心に深い影を落とし笑顔を奪ってしまうのです。

相手国の宗教や国家を非難すればそこには争いだけが残ってしまう。
両国に復讐心が芽生えれば民族間の争いは止めどもなく連鎖し続けるのです。

世界中の誰もが平和に生きる権利を与えられているのに権力者はそれを奪ってしまう。
国も権力者も生きる以上の富と欲を求めるから争いが始まるのだ。

一旦戦争がはじまると人々は信じあうことが疎かになり憎しみだけを増幅させる。

悲しみの中で際限なく相手国に略奪と強姦と殺戮を繰り返すことになる。
泣き叫ぶ女性や子供や老人の声が砲弾の音にかき消されてしまうのです。

いくら平和と自由の戦いであってもそこに音楽の入り込む余地は無い。

世界中で戦争が起こる度にジョン・レノンの「イマジン」が流れる。
人々は「イマジン」に本当の答えを求めるからである。

♪想像してごらん、国なんて無いんだと

♪そんなに難しくないでしょう?

♪殺す理由も死ぬ理由も無く

♪そして宗教も無い

♪さあ想像してごらん、

♪みんながただ平和に生きているって

皮肉にも平和主義であったジョン・レノンは1980年NYで銃弾に倒れる。
しかしこの歌が世界平和の象徴として永遠に受け継がれることは間違いない。

戦争前の不安と戦争中の狂気、ここに音楽が流れても無力です。

しかし戦争後の希望を創造するには音楽は絶対に必要です。