キリンに憧れたライオン
アフリカの草原でライオンがキリンに言いました。
キリンさんは良いね。首が長くて遠くまで見渡せるから。
キリンは答えました。
ライオンさん。わたくしは遠くの美しい景色を見ることができるのですが、
地上のような下を見ることが苦手なのですよ。
ライオンは言いました。それでも首が長ければ、
美しい景色と遠くの獲物を見つけることができるから羨ましいよ。
キリンさんは一言言いました。
ライオンさん、どんな素晴しい景色を眺めてもお腹は一杯に成らないよ。
美味しい物はすべて地上にあるじゃないか。
ライオンさんが羨ましいよ。誰よりも力が強くて足も速いし。
そのうえ捉えた獲物を邪魔されずに食べることができるじゃないか。
キリンとライオンは日が沈むまで話し合いを続けていました。
動物にはそれぞれの特徴があり魅力もあります。
その能力を活かして生きて行くが一番なのです。
他の動物の利点を羨ましがり憧れても仕方がないのです。
自分の特徴を活かして頑張る事が大切ですと、自立の為の教訓話です。
しかし現在は、お互いの利点を生かして共存する方法をおしえます。
特にビジネスの世界ではハイブリッドという言葉で異種交配を求めます。
代表的なのはガソリンと太陽光熱、違ったエネルギーの組み合わせです。
互いの利点を組み合わせることによるエネルギーの効率化と節約です。
果たしてキリンとライオンのハイブリッドは可能でしょうか。
キリンがナビゲーターになり、ライオンに獲物のありかを教える。
遠くにいる動物を見つけて上からライオンに指示をする。
ライオンは効率よく獲物の捕獲にありつける。
しかし、よくよく考えるとキリンは草食動物でライオンは肉食動物です。
互いの共存共栄は成立しないのです。
しかし、キリンの情報で獲物を見付けたライオンが、
次は、食事中のキリンを守る事が出来るかもしれません。
ナビゲーターとスナイパーのハイブリッドなら可能性は在るかもしれません。
政治の世界でも自国の発展ばかりを考えて外交を行うと必ず問題が噴出します。
こちらが必要な物と相手が必要な物が分かれば取引は難しくありません。
勿論、互いの歴史認識や政治的価値観の違いがネックになったとしても、
国が豊かになり国民が喜ぶのであれば発展的に解決をしなければなりません。
一国で成長することは無いのです。
様々な国とのつながりがよりよい成長に繋がるのであれば、
国同士のハイブリッドがあっても良いのではないでしょうか。
経済的な重要性よりも国民同士の意識の統一が出来れば戦争は起こらないのです。
ハイブリッドが平和への架け橋になれば素晴しいですね。
人間の世界でもハイブリッドはあります。
音楽やスポーツやモデルの世界で活躍している方々の中には混血の方が多いです。
両親の良き部分を受け継ぐのですから、声が良かったり、足が速かったり、スタイルが良かったりします。
混血のDNAに隠された能力が開花するわけですから悪い事ではありません。
意図的に人間の遺伝子を組み換えることは出来ませんが、
恋愛の末に生まれたハイブリッドは誇らしき事ではないでしょうか。
世界中の人の輪が広がれば、感動の輪も広がって行くのです。
人も動物も一人では生きていけません。
弱肉強食の世の中でも、強い物が偉くて弱い者は劣っているという定義にはなりません。
より良く共存共栄をする為には、互いの能力を組み合わせることが重要です。
過酷なサバンナで行きぬく為にはキリンとライオンのように話し合いが必要です。
そして互いに敵対しするのではなく、双方の能力を認めることです。
そこに新しいハイブリッドの未来が見えて来る筈です。