ヒットの作り方
世界的に有名なビートルズのヒットの方法が紹介されていました。
しかしこれは売れる方式の表層の一部です。
マーケターが分かりやすく一部をデフォルメして発信しているだけです。
しかし間違いではありません。私も何度も同じ手法を使いました。
新人のアーティストを担当した時に先ずはサクセスストーリー(計画表)を
作ります。このアーティストがどのエリアからどの年齢層に受け入れられるか
考えます。そこには楽曲の良さはもちろんアーティストの見た目にも発言にも拘ります。
その設計図をもとに雑誌社や深夜番組やテレビの音楽番組に売り込みに行きます。
少し状況が見えてくれば代理店へ行きCMなどのタイアップをお願いに行きます。
タイアップが決まれば人気テレビ番組へ出演が可能になります。
地方の放送局へも足げくかよい有線放送局へも新聞社にも挨拶に行き名前を
覚えてもらいます。地方へ出かけた時には必ずレコード店にも行き店長への
ご挨拶も欠かしません。そうすれば発売と同時に面出しをしてくれます。
(面だしとは棚に並べられたCDの一番前に置くことを言います)
時代によっては人間味を表に出すために若者のファッションを、
そのまま取り入れることもありました。ジーパンにスポーツシャツ的な感じです。
浜田省吾はそのイメージで世の中に定着しました。
アーティスト写真やアルバムの写真などにも拘りました。もちろんデザインも重要です。
私はプロデューサーとして頭の先からつま先までイメージ作りに励みます。
その中でも一番記憶に残っているのは久保田利伸の時です。
ロンドン在住のデザイナーKOSHINNO MICHIKOから依頼があり、
これからデビューするアーティストに洋服を提供したいとの申し入れです。
スティングやボーイジョージなどのデザイナーとして有名な方との
コラボレーションです。興奮しました。
先ずデビュー前の久保田利伸のデモテープを送り気に入っていただきました。
出来るなら普段の洋服から、取材用、ステージ用と全てをMICHIKO LONDONで
統一したいとお願いしたところ快く快諾していただきました。
日本ではまだMICHIKO LONDONは知られていないブランドだったので
マスコミ用にファッションショー企画をしました。
演出を秋元康に依頼して当時貸し出しが難しかった蔵前の国技館で行ったのです。
そしてショーの中盤で新人の久保田利伸が登場して歌を披露多くの取材陣は
色めきだった。日本人初のR&BシンガーがMICHIKO LOMDONの服を着て
歌とブレークダンスを披露したのですから会場は大盛り上がりでした。
その後はご存じの通りMICHIKOも久保田も大ブレークしたのです。
私は英国でビートルズのサクセス・ストーリーを聞いていました。
私のプロデューサーとしての手法は英国で学んだことがお手本になっています。
今回はネットに立ち上がっていたこの記事をご紹介します。
『ビートルズ』に9割の人が魅了されてしまう理由とは?
20世紀を代表する音楽グループ、ビートルズ。
みなさんご存知の通り、若くして成功を手に入れたバンドグループの1つですよね。
ビートルズといえば…..
『Let it be』や『Yesterday』、『Hey Jude』など、多くの大ヒット音楽を
手がけています。
実は、このビートルズの大ヒットには、とある仕掛けが隠されていたのです、、、
もちろん、天才的な「ジョン・レノン」「ポール・マッカートニー」「ジョージハリスン」「リンゴスター」
彼ら4人の歌唱力やスター性、彼らの才能が素晴らしかったのは
いうまでもありませんが…
実は大ヒットの理由はそれだけではありませんでした。。
大ヒットの秘密、それはビートルズのマネージャーの巧みな『見せ方』に
ありました。
その男の名前は「ブライアン・エプスタイン」
当時のビートルズは地方都市の人気バンドの一つにすぎませんでした。
当時、その地方には同じように300組くらいのロックグループが成功を
夢見ていたのです。
300組も競合がいたのですから、ものすごく競争が激しいのがわかると
思います。
そんな状況の中、あなたなら、どのようにまだ無名のビートルズを大ヒットさせますか?
周り競合のグループは、自分たちのことを多くの人に知ってもらう為に、
ひたすらレコードをかけて回ったり、曲の素晴らしさをポスターで伝えたりして
いました。しかし、ブライアンは違いました。
彼はその前に『あること』に拘ったのです。それは、、、
『不良の音楽』というイメージの払拭。
彼は、大衆に愛される音楽グループにする為、当時ロックグループにあった
『不良の音楽』というイメージの払拭を行いました。
具体的に何をしたのか?というと、、
ブライアンは、まず50年代のエルビス・プレスリーがなぜ大ヒットしたのか?
を入念に分析しました。
そして音楽ビジネスを大きく育てる為には、ただ単に良い音楽を聞かせる
だけではダメだ。
という結論に至り、印象付けを上手にしていくこと、つまり『見せ方』に
こだわる必要性に気づいたのです。
それからというもの
・スーツとネクタイをメンバー全員に用意
・ヘアスタイルはリーゼントからマッシュカットを採用
・コンサート演奏で1曲終わるごとに全員でのお辞儀を徹底させる
などして、他の『不良な』グループのイメージとは違い、『礼儀正しい』
グループのイメージ戦略を徹底して行いました。
そうやってブライアンは、ビートルズというグループの「見せ方」にこだわる
ことで、そのほかのロックグループとの違いを作り、注目させ、世界トップ
クラスの超人気バンドグループを誕生させたのです。
世の中に良い音楽はたくさんあります。そして、我々消費者は、作り手が
思っている以上に、音楽の品質の違いを理解していません。
つまり、どれも同じような音楽に聞こえてしまうので、存在を知ってもらう
だけでは、買ってくれないのです。
音楽の見せ方を変えて、はっきりと『他とは違う音楽』に見せなければ
いけません。
実際、ブライアンの手がけたビートルズは素晴らしい逸材でしたが、
それだけではなく「見せ方」にこだわったことで、他とは違うグループとして
注目され、成功していますからね。
「良い音楽が売れる、悪い音楽が売れない、ではなくて、その音楽の良さが
どう伝わるか?が大事なんです。
その音楽の良さを、どのように見せるかによって、消費者が受け取る心理的に
ブランド価値や満足度、印象が変わります。見え方で全てが変わります。」完
私は音楽プロデューサーとして必ずヒットさせることが仕事です。
幸運にも少しだけヒットに恵まれたのはマーケティングの手法を取り入れたからです。
74年当時はマーケティングという言葉も一部の人間しか使わない言葉でした。
私なりに英国で学んだことと自分なりの考えを取り入れて実行しました。
それが功を奏したのです。
ヒットは偶然に生まれません。偶然を創り出すのがヒットです。
今世の中で何が求められているか知るアンテナ(感性)が必要です。
報道や雑誌からまた他人の言動からそれを引き出すのです。
ヒットを作るのは思ったほど大変ではありません。