泳ぎ方
人生を生き抜くためにはそれぞれの泳ぎ方を知らなければなりません。
どの泳法が良いかは人それぞれによって違うのですが、必ず自分に適した泳ぎ方があるはずです。
その為にクロール・バタフライ・平泳ぎ・立ち泳ぎ等から探し出さなければなりません。
しかし気を付けなければならないのは、泳ぐ場所によっても泳ぎ方が変わると言う事なのです。
一つの泳ぎ方で川も湖も海も泳ぎ切る事は出来ません。
泳ぎ切ったとしても理に適った泳ぎ方ではないので様々な不都合が生じるのです。
たった一回の泳ぎで疲れきってしまっては、次々に起こるアクシデントを乗り越える事は出来なくなります。
その為には泳ぐ場所の正しい判断と理にかなった泳ぎ方を学ばなければなりません。
人間関係も同じように置かれた場所で正しい人間関係が成立しなければなりません。
多くの方々との人間関係ですから上手に泳ぎきる方法を生みださなければなりません。
明るさと笑顔で他人の邪魔にならないように泳ぎ切ることが大切です。
しかし、私には私の好きな考え方があるから、他人の意見は聞かないという人がいます。
きっとその方はいままで波風の無い安定したプールのような状態の中でしか、
泳いだ事が無い人だと思います。
いつまでも周りに守られていた状態が続くのであれば構わないのですが、
実際の社会の中では千差万別の泳ぎ方で、臨機応変に泳ぎ切らなければなりません。
親や教師や数冊の書物の中で覚えた泳ぎ方で、人生を最後まで泳ぎきるのには無理があります。
少しぐらい不器用な泳ぎ方でも、常に社会の変化に応じて泳ぎ方を変えなければならないのです。
泳ぎ方を変えるには過去の呪縛にとらわれない事です。
間違った泳ぎ方で辛い経験があったとしても、すべて捨て去らなければなりません。
そして大切な事は無事泳ぎ切ったとしても、ゴールがどこかということを想定しなければなりません。
人生のゴールは短いようでもとても長いのです。
途中で息切れの無いように最後まで泳ぎ切らなければなりません。
有終の美を飾る為にも本当のゴールを目指すのです。
水泳の金メダリスト北島康介は以前「ゴール前に弱い」とコーチに言われたそうです。
良い記録がでそうなのに、ゴール前で失速してしまうそうです。
決して体力が持たないという問題ではありません。脳の機能の問題だそうです。
脳は「ゴールが間近だ」と思ったら失速を始めるそうです。
つまり、ゴールが見えると、脳はもう達成したかのように思ってしまうわけです。
顕在意識の中では必死で泳いでいるのですが、顕在意識よりも膨大な潜在意識が達成した感覚に満たされると、
発揮していた力が低下していくわけです。
ゴールが見えると低下してくるということは、ゴールまで最大の力を発揮してたどり着きたい場合、
本当のゴールをゴールと思ってはいけないということです。
そこで北島選手が助言されたのは、「壁をタッチし、振り返って電光掲示板を見るのがゴールだ」
ということを頭に刷り込ませたそうです。
つまり、北島選手の場合は、壁をタッチしてもまだゴールじゃないんです。
なので、タッチの瞬間まで最大限の能力を発揮します。
少しの成功で有頂天になっている経営者を多く見かけます。
才能もあって泳ぎ方も上手なのですが、本当の成功(ゴール)の前に失速してしまうケースがあります。
独走態勢で泳いでいたとしても安心することなくゴールまで力を緩めなければ失速しなかったのかもしれません。
彼等もまた北島選手がコーチからアドバイスを受けたように、
ゴールをゴールの遠く先においていれば良かったのだと思います。