我一片なり




人生というボードがあればその中の一片となる覚悟があるか?
初めから自分を中心に置くから活躍の場が見えなくなる。
そして絶望をする。
どの世界にも必要とされる部分(一片)があるが、
親も教師も中心になることを半ば強制的に教え込んでくる。

一番になることが尊いかのような教育は落ちこぼれを作るだけで、
勝ち組負け組など馬鹿な言葉も生まれてしまうだけである。

私は貧しい家庭で育ったので食べるのが精一杯の暮らしだった。
小遣もないので友達と楽しい思い出も作ることが出来無かった。
教室に行っても同級生が幼く見えてクラスで逸(はぐ)れるしかなかった。
かといって騒ぐばかりの悪ガキで無かったので結構人気があった。
今の境遇だと自分は社会の中心にはなれないから脇役を目指すことにした。

一流の脇役を目指す決心をしたから、悪い意味での「上を目指すだけ」の
意識は消えた。俺は俺はという意識を決して曲げなかった。
しかし、表面上は「言いなり」に徹した。
一見するとお調子者の馬鹿である。道化師に徹したのである。

その時に私の好きな言葉あった。

『われは 木偶(でく)なり 使われて 踊るなり』
これは、文化勲章を受章した画家・詩人、中川一政氏の随筆の中に
出てくる言葉です。
この言葉の木偶(でく)とは、『木の人形』という意味と、
『役立たず(でくのぼう)』という二つの意味が込められています。

『私は無能な人形であり、人に使われて踊らされるだけの、下卑た存在である』
自嘲的に解釈いたしますれば、上記のような意味合いではなかろうか…
と思うのですが、冒頭を『われ(我)』とせず、相手方を意味する
『われ(貴様)』と解釈いたしますれば、
逆に相手を侮辱する言葉と化してしまいます。

何れにいたしましても、自分や相手を中傷する意味の言葉のように
思う事しかできませんでしたが…
しかし…

この言葉は、自分を超えたところにあるものに対し、
己の全てを任せるという意味として解釈するべきでは…と、
思い直すことができる昨今の自分でございます。

意味を…『導かれるがままに、私は従う』
故に…『無心になり、やるべきことを一生懸命にやる』
この心境を得ることこそが、中川一政氏の綴った本来の目的ではなかったのか…。

そんなことを思いながら、未だに悩み苦しむ己の迷路に自ずと
道を開かせようとしている情けない自分。
われは 木偶なり、使われて 踊るなり

プロデューサーという脇役の道を選んだのだから心に悔いは無かった。
徹底的に脇役を目指したのです。

世の中は言わずとも多くの人の集合体です。
気の置けない仲間が集まれば大きな夢を叶えることが出来るのです。

世界的大ヒットの漫画&アニメの「ワンピース」は、
一人一人の能力を「組み合わせ」れば願い事は必ず叶う。
それを伝えたかったのだと思います。
今の時代は縦の組織ではなく横つながりの仲間の組織の時代です。
エンパワーメントが訴える個人の能力の組み合わせです。

先日、久しぶりに素晴らしいライブを見ることが出来ました。
2023年9月25日(月)fEAr Lounge ZERO
【ニシハラトマムとゆかいな仲間たち】

Dr.西原冬馬夢
[Special GUEST)
Dr.岡本郭男
Vo,伊丹谷良介
Vo, Momo Ando
Ba.日野 JINO賢二
Gt.MasaShimizu
Gt.Tommy
Gt.TakaU (from tUM€ GREAT:DAMN)
Ba.大河(from札幌 GREAT:DAMN)
Gt.藤田響心
Ba.加山桂護etc…

Drニシハラトマム・初プロデュースのライブでした。
彼とは何度か話をする機会があって、
多分チャンスがあるのならチャンスに乗るのも人生だよ。
辞めるのはいつでも出来るから、辞めない選択もしなさいと言った記憶がある。
先輩アーティスト伊丹谷良介の応援のもとチャレンジを続けなさい。

昨夜のライブは緊張と興奮の入り混じったスタートから、
仲間たち(素晴らしい先輩達)と後輩たちに見守られながらの
最高のステージを展開した。

ニシハラトマムの性格の良さが先輩も、後輩も、観客のみんなも
巻き込んでグルーブが一体となった。構成も選曲も自然の流れだった。
見事だった。
Vo、伊丹谷良介とMomo Andoの歌声に観客は酔いしれた。
最後まで惜しみない拍手を送っていた客席のみんなもステージの一員になった。

偶然、出会った世界的有名なカメラマン、ハービー山口さんと、
「日本でもこんなに良いライブが出来るようになったのだね」と、
印象をおなじにした瞬間である。
そして彼は立ち上がり手持ちのカメラで写真を撮り続けていた。

みんな「我一片なり」そのピースが集まるとこんなに素晴らしい、
感動的なコンサートが出来るのです。
「音は外しても客の心は外すなよ」
その日はしっかりとお客様の心を掴んでいました。
みんなのこれからの活躍を期待しています。