好きになる

 

人を好きになる理由は一つしか無い。
その人に愛を感じるからである。
人が嫌いになる理由は百ほどある。
その人の言動が気になるからである。

男は一度嫌いになった女でも再び好きになる事が出来る。
女は一度嫌いになった男は二度と好きにはならない。

一般的には好きから始まり愛が芽生える。

愛は心がつまって足もそぞろに進まないことをいう。
もどかしい心が相手の世界に立ち入る時である。

また愛は束縛と謝罪の連続である。

人を好きになると言うことは相手の人生を破壊する恐れがある。
自分の価値観を押し付けて傷つけるからである。
愛をとおして未来を約束してもそこに保証は無い。
曖昧な「幸せ」というゴールを語り合うだけである。

男は種族を守る為に女を求めるが女は家族を守る為に男を選ぶ。
男の帰るところは女で女の帰るところは自分自身である。

男達は船で旅する時に舳先に女神を飾る。
また元の場所に無事帰ることを願う為である。

女達がひとりで旅をする時は全てを置き去りにする。
もう二度と同じ場所には帰らない決心である。

若者達は人生経験の少なきなかで愛に悩み苦しむ。
未熟な愛は見た目から始まり、言葉に移行して、仕草で確認し合う。
仕草から誠意と移る中で、互いの伴侶としての確認が行われ結婚に至る。

愛は生命の内部的なる熱と力と光の源泉たることを得るのである。

男も女も愛失くしては生きていけないのである。

しかし若者達は本能的な愛と真の愛を取り違えてしまう。
本能的な愛は一瞬にして燃えるが、そこに覚悟と努力が無いから、
様々な外的に対する抵抗力が乏しいのである。
真の愛は精神生活の根底を互いに努力して作る覚悟である。
精神生活とは生活の安定であり安心を共に作らなければならないのである。

恋愛はゲームでは無い。何度もやり直しができる感覚は捨てるべきである。

人を好きになる理由は一つしか無い。
その人に愛を感じるからである。
しかしその愛が受け入れられなくても、
失恋の中で得る悲しみも大切である。