リスペクト尊敬




・道路を渡れない老人を見て子供が走り寄り手を引いた。
・片手を包帯で巻いた人の靴紐がほどけてホームレスが結んであげた。
・エスカレーターに乗るのを躊躇っている人に少女が腕を組んだ。
・座るところを探している老婆のもとに妊婦が席を譲った。
・マクドナルドで商品を受け取って席に着こうとして客が転倒した。
 それを見ていた学生が食べていない自分のハンバーガーを渡して店を出た。
・ファミレスで子供がうるさいと怒鳴る男性に向かって横にいた女子高生が
 そうですね。うるさいですね。あなたがねと男性に向かって言った。

このような光景を見てあなたは何をしていますか?
簡単なことなのに言葉をかけないのは何故ですか?
恥ずかしいからですか?
それとも関わりたくないからですか?
戸惑っている間にも時間が過ぎてしまいます。
見て見ぬふりをするのは卑怯なことなのです。
面倒なことに巻き込まれたくないと思いで視線を逸らす。
しかし、確実に周りの子供はその光景を見ているのです。

マドリード:スペインの国防大臣は土曜日、
マドリードがパレスチナ国家を承認する決定を下したことで
イスラエルとスペインの関係が悪化する中、
ガザでの紛争は、「真のジェノサイド」であると述べた。

イスラエルは、国際司法裁判所において南アフリカが提起した、
パレスチナ人に対するジェノサイド(大量虐殺)であるとの
非難を強く拒否しており、ハマスに対して戦争であると述べている。

スペインのマルガリータ・ロブレス国防大臣が国営テレビ
TVEのインタビューに答えたこの発言は、
スペインのヨランダ・ディアス副首相が今週初めに述べた、
ガザ紛争をジェノサイド(大量虐殺)だとする
コメントと呼応するものだった。

このような話を子供が聞いたら世界が動かないことを不思議に思うのです。

私が最近見た「2040年子供がジェノサイドを見て」という
映像の中で、「お爺さんはこの時何をしていたの」と質問する場面です。
その時に関心を持たなかったおじいさんは恥ずかしそうに下を向くだけです。
同じようにおばあさんも申し訳なさそうに下を向くだけでした。
世界中の平和を邪魔するのは国民の無関心なのです。
世の中から正義が無くならないのも我々の責任なのです。

以前ブログに書いた文章を思い出します。
ある大学の法学部の授業で教授が理由もなく女子学生を教室から追い出します。
そのやり取りを見ていた周りの学生たちは何も行動を起こしません。
そして授業が再開されて教授が「正義」とは何か、「法」とは何かを
順番に学生へ質問していきます。
流石に法学部の優秀な生徒たちはよどみなく答えを述べていきます。
そして、一通り回答が終わった時に教授はこのような言葉を述べたのです。

さきほど意味もなく女子学生を追い出した。彼女は涙を浮かべながら
教師室を出て行ったのを全員が見ていたはずなのに。
誰も何もしなかった。その訳を聞かせてほしいと問い詰めました。
君たちは正しい答えを知っていて、それを使わなかったのは、
知識は知っているが行動の起こし方を知らないのだ。
法廷だけで使う法律なら知っていても役に立たない。
行動を伴わない法律ならあっても役に立たない。
教室がシーンと静まり返りました。

道路を渡れない老人を見て素通りしていく人間が、
法律を学んでも何にも役立ちません。
盗みを働いている現場を見ても行動に起こさない人間が
法律を学んでも役に立ちません。
学問とは知識を記憶するだけの行為なら、
今後はAIがすべて行うので人間は必要なくなる。

人間は感情の動物であり理性で瞬間に行動を起こせるのです。
結果は過去の分析では何もできないのです。
AIは予測できても現状の解決には役に立ちません。
人間との連係プレーが活かされなければ効果が出ません。
そんな時代が目の前に来ていることを知らなければなりません。

争いごとに目を背ける人は争いに巻き込まれた時に何も出来ません。
普段から条件反射の如く動く訓練をしなければなりません。
多くの人がスマホの画面に釘付けで周りの状況を見ていません。
自分の事も他人の事も無関心すぎるのです。

正義の行為は誰も見ていなくても自分は見ています。
情けない自分を正当化しないでください。
関わりたくないと思わないでください。
日本の倫理意識の中に「お天道様は見ているよ」という言葉があります。
誰も見ていなくても自分の心は見ているよという意味です。

ニュースでは毎日悲しい事件を取り上げて報道します。
コメンテーターは井戸端会議の野次馬です。
へらへら笑って悲惨な事件を読み上げている。
放送作家が作った原稿を読むだけです。
駄目なものは駄目と自分の意見を言うべきです。

正しい発言や行動する人は面白味が無いから採用しない。
政府やマスコミを批判する過激な評論家はすぐにおろされる。
それよりも安くて美味しい店を探すグルメ情報や、
動物のズッコケ写真を探す方が、視聴率が上がるので採用される。
騒音おばさんやゴミ屋敷のおじさんを取材して
お笑い芸人出身司会者の解説を入ればバラエティー番組になる。
そうして国民は問題の本質から目をさらされて茹でガエルになる。

日本の歴史の中で一番多く使われてきた言葉「尊敬」。
アジアの国々の人が尊敬に値する国は日本だけとまで言わしめた言葉。
今は尊敬(リスペクト)と言う言葉はカバンの中に収めたままである。

2024年辰年は世界が揺れ動く年と言われていました。
正にその通りになり自然災害の猛威も、いまだ終わらない戦争も、
不正を働く政治家たちも、経済不況も原因がすべて暴露された時代です。
そして来年2925年は巳年過去を脱皮して新しい時代を迎える。
その時に必要なのは進化したテクノロジーではなく、
人として尊敬に値する人がリーダーシップを発揮しなければならない。
リスペクトの時代です。

私達は誰かが命がけで守った未来に生きている。
自分達が未来を作っているのではなく、
未来はいつも誰かの犠牲の上に成り立っていることを忘れないでください。