歌う禅




この素晴らしい歌う禅を一度は体験したいと思います。
文章からでも伝わる禅の奥深さに感動しました。

横田南陵禅師
私が参加したのは、歌う瞑想からでした。
歌うことが瞑想になるかと不思議に思ったのです。
歌を歌うことはお釈迦様以来僧に禁じられているはずであります。
しかし、ティック・ナット・ハン師は、ベトナム戦争で傷ついた
人を癒すためにも歌を取り入れたということです。

手振りをまじえながら、呼吸のうたをみんなで歌いました。
「はいる、出て行く、深い、ゆっくり、静か、やすらぎ、ほほ笑む、
手放す、今この時、すばらしい、この時」という歌詞です。
とてもゆったりとしたリズムで、息を吐いたり吸ったりします。
たしかにこれだけでも心が安らぐものです。

午前中はファップカム師の
『マインドフルネス、戒律、喜びと幸せを生む実践』
という法話を拝聴しました。戒と律についてお話下さいました。
印象に残ったのは、五戒についての話なのです。
プラムヴィレッジの僧は皆二百五十の戒を守っておられるのですが、
この五戒を大切になさっているのです。

五戒については、
「不殺生戒」命あるものをむやみに殺さない
「不偸盗戒」人のものを盗み取ることをしない
「不淫欲戒」道に逆らった愛欲を犯さない
「不妄語戒」嘘偽りを口にしない
「不飲酒戒」酒に溺れて生業(なりわい)を怠ることをしない。の五つなのです。
これをプラムヴィレッジでは、五つのマインドフルネストレーニングとして
説いています。これが素晴らしいのです。

不殺生は、「いのちを敬う」です。
当日いただいた資料から一部を抜粋しますと、
「いのちを破壊することから生まれる苦しみに気づき、
相互存在を洞察する眼と慈悲とを養い、人間、動物、植物、鉱物の
いのちを守る方法を学ぶことを誓います。
私は、けっして殺さず、殺させず、自分の心と生き方において
世界のいかなる殺害行為も支持しません。」ということなのです。

それから、不偸盗は「真の幸福」です。
これは「搾取、社会的不正義、略奪、抑圧による苦しみに気づき、
自分の心、発言、行動をもって寛容さを実行することを誓います。
私はけっして盗まず、他に属するものを所有せず、私の時間、エネルギー、
持ちものを、必要とする人とわかち合います。」という内容です。

それから不邪淫は、「真実の愛」です。
「性的な過ちによる苦しみに気づき、責任感を育て、個人、カップル、
家族、社会の安全と誠実さを守る方法を学ぶことを誓います。
性欲は、愛ではなく、貪りによる性行為は、つねに自分と相手を
傷つけることを知ります。
真の愛と家族や友人から認められた深く長期的なかかわりなしには、
けっして性的な関係を結びません。
力を尽くして子供たちを性的虐待から守り、性的な過ちからカップルや
家族が崩壊しないように防ぎます。」という内容です。

そして不妄語は、「愛をこめて話し、深く聴く」です。
「気づきのない話し方と、人の話を聴けないことが生む苦しみに気づき、
愛をこめて話し、慈悲をもって聴く力を育てます。
自分をはじめとして、人びとや民族や宗教集団や国家間に存在する
苦しみを見抜き、和解と平和をうながすことを誓います。
言葉が幸せも苦しみもつくりだすことを自覚し、信頼、喜び、希望を与える
言葉を使って、誠実に話すことを誓います。」という内容です。

最後に不飲酒戒は、「心と体の健康と癒し」です。
「気づきのない消費によって生じる苦しみに気づき、マインドフルに
食べ、飲み、消費することを通して、自分と家族と社会に心身両面の
健やかさを育てていくことを誓います。
食べもの、感じ方、思い、意識という四種の栄養の消費のしかたを深く
見つめる実践をします。
私は賭けごとをせず、アルコール飲料、麻薬の他、特定のウェブサイトから、
ゲーム類、テレビ番組、映画、雑誌、書籍、会話にいたるまで、
毒性のあるものはけっして摂取しません。」という内容なのです。

戒というのは、良い習慣をつけることだと
私はいつもお話していますが、
五戒が実に素晴らしい習慣として説かれているのです。
そのあと、みんなで昼食をいただきました。

五観の偈を、五つの祈りという分かりやすい言葉で表現されていました。
これをとなえて、いただきます。
ティック・ナット・ハン師はご生前、日本のお坊さんは早く食べるので、
ひとくち四十回くらい噛むようにと言われたらしいのです。
そこで、ひとくちひとくち箸を置いて、四十回を目安にゆっくり噛んで
いただきました。はじめの二十分は、完全に沈黙でいただきます。
二十分経つと、少し会話をしながらいただいてもよろしいのでした。
食事は食べる瞑想なのです。

そのあと、横たわる瞑想(トータルリラクゼーション)がありました。
約四十分ほどでした。
これはボディスキャンというマインドフルネスの方法であります。
これが実にゆったりと脱力できて、
頭の中も空っぽになった思いでありました。
そうして私の講演が九十分、そしてプラムヴィレッジのファップカム師
との対談と質疑応答が九十分で、合計三時間行いました。
円覚寺横田南陵禅師ウェブサイトより(一部割愛)

皆様はどう思われたでしょうか?
私は今、ロックシンガー伊丹谷良介とうたと学びを取り入れた
ロックサロンを開催しております。
毎月第二土曜日に恵比寿のバーVoicesにて行っています。
1月ブッダ2月生命3月芸術4月科学5月こども6月音楽
7月自然8月愛9月未来10月和11月人間12月創造です。

毎月抽象概念的な言葉を定義に添って語り「うた」を通じて情感に訴えます。
左脳が刺激されて右脳が目覚める。日本で初めてのロックサロンです。
特に終演後の対話集会はテーマに沿ってお客様と話し合います。
遊びに来たミュージシャンが飛び入りでセッションをして
会場全体が大盛り上がりになります。

11月は東京(2Day)・京都・横浜で開催。
過去には大阪・名古屋でも開催しました。
来年は様々なイベントに呼ばれています。
大きく活動の場を広げて行きます。
お時間があれば是非とも一度は覗いてみてください。
お待ちしています。