さとり
晴れた日には両手広げて陽射しをあびる
雨の日には何もしないで本を読む
嵐が来れば風除けに隠れ、雷雨になればひと眠り
曇った日には酒を飲み、昔日片手に歩き出す
道端の草木小虫に声をかけ、吹く風のように通りすぎ
晴天満天の屋根に囲まれて、山頭火気分でなすがまま
金あれば豪快に使い、金無くなれば質素に暮らす
借金取り来れば逃げ出して、表札隠して苦笑い
昔の友にはやさしくて、変わりは無いと嘘をつく
祭りの後は騒がない、疲れた男は哀れでいい
名誉も金も消え失せて、裸になって人になる
都会暮らしの片隅で、今宵も独杯月揺れる
世間の噂に惑わされず、力を入れずに酔っぱらう
海辺の側で見る夢は、漣と笑って踊るだけ
周りの幸福妬むより、自分の不幸と遊ぶだけ
予期せぬ事が人生には起こります。幸福と不幸の札が入れ替わります。
そして不幸のどん底で悩みの渦に巻き込まれます。判断を誤れば最悪の事態が待っています。
解決方法は一つしかありません。慌てず騒がずもがかない事です。
失敗を恥ずかしいと思うから無理な所に力が入るのです。
みじめな姿を見られたくないから暗闇に逃げ込むのです。
失ったものを追い求めるから涙が浮かぶのです。
そのような状況から良き答えは見つかりません。人間本来は「無一物」と思う事です。
裸で生れて来た人間が又裸になったと思えば気が楽に成ります。
気楽に体力を温存して下さい。人生の休みを少し多めに頂いたと思えば良いのです。
今日も人として生かされている事に感謝する事です。