哲学の一日

 

たった一日でも自分自身の時間を作る事は出来ますか?
自分の人生を考えるだけの時間です。

おおいなる大自然の中で哲学書を読み「使命」だけを考える。
森や山や湖や川を巡って湧きあがるエネルギーを身体に吸収する。
満点の星が輝く大宇宙から自分を見つめる。

与えられた70年の人生をどのように使いきることが出来るか。

恐れることは無い、不安等一切無い、孤独に耐えながら運命を甘受する。
先人の言葉を学びながら何が実行できるかを考えてみる。

古書に親しみ日本人であることの「一片の独立心」を確認する。

宮沢賢二「雨ニモマケズ」

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ陰ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ

宮沢賢二の作品にはこの詩のように自己完成を求め自分に納得をもたらす笑いが多い。
それは悟りに通じる深い意味を含んだ笑いである。笑い声にならない笑いである。

賢二の描く笑いは汚れたこの世界を生きなければならない衆生が、
心を救われたと感じたときにこぼれる表情なのかもしれない。

賢二は人間も生きとし生ける命のほんの一部であり、
自然界の一存在としてか捉えていない。人間だけの世界に閉じこもったのではない。

人間はこの世界を、すべての動物と、すべての植物と共有していると信じた。
あらゆるものが共生しているとことを疑わなかった。「謝謝宮沢賢二」王敏より

他者から与えられた事を素直に応じるだけでは無く考える事が大切である。
社会の通念に従い問題を起こさないことが正しいなんて成長の役には立たない。

自分の直感を信じて素直に行動を起こすことが最も重要である。

それらを求める心が哲学の道になるのである。

丸山眞男・小林秀雄・加藤周一・西田幾多郎を座右の書として楽しみ、
人生の始まりから人生の終わりまでを思索して欲しい。

たった一日でも自分自身の時間を作る事は出来ますか?

自分の人生を考えるだけの時間です。