三つの眼

 

上空から見下ろす鷹の様な目を持て!

リーダーとなる人間は俯瞰で物を見る訓練をしなければならない。
常に全体の状況を上から判断して指示を出さなければならないからである。
上から見れば何が重要課題で何が最優先事項かが分かる。

森や林を見る人の眼を持て!

リーダーとなる人間は現実と経験と常識からくる分析を訓練しなければならない。
常に大衆は未来の予測に対して期待と不安を感じ迷うからである。
大衆が何を求めているかを大衆と同じ目線で考える必要がある。

地上に這う虫の様な目を持て!

常にリーダーとなる人間は底辺から情報を吸い取る訓練をしなければならない。
常に危険を予測して信頼よりも猜疑心と警戒心を持つべきである。
下からの情報は決断をする時の適切な時期を教えてくれる。

 

対坐する相手に対してその能力と人柄を瞬時に読むことができるか?
書面で交わされる内容を文字だけで判断して安心できるか?
相手の駆け引きよりも先に取引で優位に勧める事ができるか?

リーダーとなる人間は三つの眼を屈指して勝利へと導かなければならない。

武田信玄<我にわからざるもの三つあり>

一つは空を翔る鷲の道
一つは地を這う蛇の道
一つは男と女の出会う道

<人生にとって幸福な音が三つある>

一つは夫が家に居て静かに本を読んでページをめくる音
一つはその傍らに妻が居て何かを作っている音
一つはその夫婦の側で子供が元気に遊び戯れている音

<概(おおむね)戦というものは>

一つは五分をもって上とし(五分は励みを生じ)
一つは七分をもって中とし(七分は怠りが生じ)
一つは十分をもって下となす(十分は驕りが生ず)

戦国の知将と言われた武田信玄ですらあらゆる事に疑問を持ち続けた。
疑問を悩みとしない為にも冷静な分析が必要である。

危険が迫った時に悩むのではなく迫る前に悩むのは正しい。
しかし、実戦の場合は日々の訓練を持って行動を成す。

常に問題のポイントに照準を縛り三つの眼で見る事によって解決の糸口が分かる。

三つの眼は思考の黄金分割である。