苦労

 

苦労は自分を磨いてくれる砥ぎ石だ。
まさに人間を磨いてくれる砥ぎ石なのだ。
だから苦労すればするほど人は輝く人となる。

苦労から逃れてはならない。
苦労に押しつぶされてはならない。
苦労に負けてはならない。
苦労と笑いながら戦うのだ。

そして苦労のハードルを越える度にゴールが目の前に近づいて来る。

苦労には様々な抵抗勢力となる人達が登場する。
家族や同僚や先輩や上司や友人達である。

悪意なき助言のもとで人生を翻弄されることがある。
また意図的に妨害をされて神経をすり減らす事もある。

たとえ息もできぬほど追い込まれたとしても、
恨まずに砥ぎ石となる人達に感謝すべきなのだ。

彼等がいるから強く成れるのだ。

石は激流を選べず川上からいくつもの大岩にぶつかりながら川下に下る。
果てしなく続く荒々しい流れに身をまかせながら過ごすのである。
やがて河口に辿り着く頃には角張った石も丸い石となっている。

成功者の多くは書物よりも苦労から学ぶことが多いという。

苦労を立ち塞がる壁と考えるか乗り越えなければならない試練とするか、
人それぞれだが、成功者はいたずらに悩みや痛みを増幅させることはない。
全て流れに身をまかせながら良き経験として取りこむのである。

理不尽な世の中と人間関係の摩擦の中で人格は丸くなり、
やがて泰然自若として名刀のように光り輝くのである。

名刀とは石ころのような鋼(玉鋼)を何度も叩いてできあがる。

鋼の塊を熱しては冷まし冷ましては熱する作業を繰り返す。
何度も引き延ばしては叩き、叩いては引き延ばすのである。

叩かなければ鋼は決して名刀には成らず。
叩かれて名刀になるのであれば叩かれることに感謝しなければならない。
叩いてくれるハンマーを決して憎むのでは無く感謝するのである。

名刀になれば美しさのなかに威圧感がうまれる。

名刀が完成されたとしても叩くハンマーを決して名ハンマーとは言わない。

苦労の中に登場する人達はあなたを叩くハンマーなのである。
貴方が輝く人となり評価されてもハンマー達は評価されない。

貴方の人生の前に立ち塞がる、
多くの抵抗勢力を恐れずに進んでほしい。

心身ともに叩かれても怯まないで欲しい。

希望を失わずに前向きに生きて欲しい。

苦労は自分を磨いてくれる砥ぎ石だ。
苦労すればするほど光り輝く人となる。

苦労と言われる環境では叩いてくれるハンマーには感謝しなければならない。
そこに確固たる人格が形成されるからである。