むすんでひらいて
讃美歌・唱歌・軍歌をへて現在の童謡「むすんでひらいて」があります。
「むすんでいひらいて」
作詞者不明・作曲ルソー
むすんでひらいて・手をうって・むすんで
またひらいて・手をうって・その手を上に
むすんでひらいて・手をうって・むすんで
またひらいて・手をうって・その手を下に
むすんでひらいて・手をうって・むすんで
またひらいて・手をうって・その手を頭に
むすんでひらいて・手をうって・むすんで
またひらいて・手をうって・その手をひざに
むすんで・ひらいて・手をうって・むすんで
神仏習合
神々の信仰は本来土着の素朴な信仰であり、共同体の安寧を祈るものであった。
その信仰は極めて閉鎖的だった。
普遍宗教である仏教の伝来は、このような伝統的な「神」観念に大きな影響を与えた。
天皇を神と崇める中で鎮護国家の思想と共に仏教を採用した。
ウイキペディアより
「むすんで」は高皇産霊尊(たかむすびのみこと)が、
神々の世界と人間界を「むすであげましょう」という意味で。
「ひらいて」は仏からほどけ、ほどけるから、ひらくとなったという説です。
「手をうって」は二礼二拍手でいう柏手の事です。
神様とむすんであげましょう。そしてむすばれたものをまたほどいてあげましょう。
手を打ちながらその手を「上」に「下」に「頭」に「ひざ」に祈りましょう。
天に祈り、地上に祈り、人間の一番大切な頭に祈り、
そして人間としての機能「あるく」に必要なひざに祈りましょう。
天と地と人すべてに感謝しましょうということかと思います。
昔は神仏習合によって神社とお寺は同じ場所にあったのです。
明治維新後に廃仏毀釈によって寺と神社が分離され、
仏像の神体としての使用禁止、神社から仏教的要素の払拭などが行われました。
祭神の決定、寺院の廃合、僧侶の神職への転向、仏像仏具の破壊、
仏事の禁止などが急激に行われ大きな混乱を巻き起こしたのです。
このような宗教への弾圧は世界中の歴史に残されています。悲しい事です。
政府からの一方的な弾圧は戦争まで引き起こす事があります。
幸福を求める宗教によって不幸が起こるのは納得がいかないですね。
付録
「むすんでひらいて」を聞くと思いだすのがこの言葉です。
中国の諺に「雑乱紛糾のときには控捲せず」があります。
もめごとが起きた時には互いに引っ張り合うのではなく
互いにゆるめなさいという意味です。
引っ張って緩めて、引っ張って緩めての繰り返しですね。
これもある意味では「むすんでひらいて」と同じかと思います。
こちらは人間関係の中で共に主張を言いあうのではなく、
互いの主張を認めあわなければ解決は出来ないですよということです。
一方的に自分の利益を引き寄せようとするから争いが起こるのです。
少し自分の取り分を減らして相手側に押し戻せば感謝が生まれるのです。
利他の心です。
むすんでひらいて・手をうって・むすんで
またひらいて・手をうって・その手を上に
子供の無邪気な声と動作にあわせて歌ってみて下さい。
幸せな気持ちになり心が解放されますよ。