百折不撓




勝手な思い込みで弱い立場の人間に対して命令をしてしまう。
自分の苦労を隠すようにして強がる自分を前面に押し出す。
折角手に入れた地位を奪われたくなくて持論を繰り返す。
強固な城も人がいなくなればただの箱になる。
信頼できる部下と尊敬できる先生と親身になってくれる友を
手に入れられなかった人生の悲しい末路である。

こんな言葉を知っていますか?「1人なら龍3人よれば虫」
これは中国人がよく使う言葉です。
意味にすれば一人で物事を進める時は判断も行動もまるで龍のように
振る舞えるが、なぜか複数になると怠け者の虫のように力を発揮できなくなる。
これは中国人だからということではなく一般的な人間心理です。
「三人よれば文殊の知恵」しかし三人よれば依存が芽生えることも事実です。
少しでも心を緩ませると逃げたい気持ちが湧き起こるということです。

地震や豪雨の災害で家も家族も失った人は絶望と共に一人で生きることを
余儀なくされて無口になりただ黙々と怒れる龍の如くに行動を始める。
東北の震災、熊本の震災、能登半島の震災、皆同じようになる。
しかし仮設住宅の生活が始まると急に精神的に耐えられなくなり
自殺する人も増えるという。壊れた家にいる時は気丈に生きていたのに
避難所へ移った途端に気が緩み悲しみに耐えられなくなる。
本当の復興支援とは建物だけではなく心を支える柱が必要です。
カウンセラーの派遣も多く行われていますがとても重要です。
そこで聞いた言葉を更に復興支援に活かされることを願う次第です。

「こんな言葉があります」
【百折不撓】ひゃくせつふとう
何度失敗して挫折感を味わっても、くじけずに立ち上がること。
どんな困難にも臆せず、初めの意志を貫くこと。
「百折」は、何度も折れること。「撓」は、枝などがたわんだり、
まがったりすることで、気力がなえること。「不撓」でくじけないこと。

「このような事例もあります」
年齢に関わらず就職の悩みをもつ方が多い時代。自信を失い、希望を失い、
目的を失い、何もかにも失って来られる場合もあります。
じっくりとお話に耳を傾け、温かく寄り添いながら、一歩、また一歩と、
階段を一緒に上がり始めるような気持ちで接しています。決して無理を
強要するつもりはありません。ただ、自分の心の中に、わが生命の源に、
折れても、折れてもくじけない「負けじ魂」が誰にでも本来備わっている
ことを自覚することが大切と考えます。
勇気と希望を私にも、そして多くの方に与えてくれた友に感謝。
これからも山も谷もあるでしょう。それでも百折不撓で生きていく限り、
人生勝利の歴史が輝くことを確信しています。本当にありがとう。

「私の場合もこのような経験をしています」
6歳の時に母親と兄妹と別れて大阪の父親に引き取られました。
当初は自分の置かれた立場がわからず泣くことも我慢できたのですが、
色々な人と関わるようになり「可哀想な子だね」と言われるたびに
悔しくて泣くこともありました。ああこれからは誰にも頼らずに
一人で生きていくのだと決心したのです。
名前に瀧が付いていることもあり恐れることはありませんでした。
それ以上にもっと困難に見舞われれば良いとも思ったのです。
自虐的ではありますが苦しみから解放されるのには
徹底的に底まで落ちて自分の置かれた立場を知ることでした。
他人に確認や同意を得てから慎重に行動しては駄目です。
色々な意見は役に立ちません。それどころか情熱が冷めることにもなります。
私は誰にも相談せずに無謀と思われることに挑戦してきたのです。
熱き心を忘れないように敢えて困難に飛び込んだのです。

しかし気をつけたい態度としては傲慢になり人の意見を無視することです。
少し成功すると今までの我慢が噴き出して怒りに変わるのです。
「実るほど首を垂れる稲穂かな」この心境にはなかなか近づけません。
それでも失敗を重ねると自然に謙虚さが身につきます。
小さな虫になって身動きが自由に取れなくなって初めて後悔するのです。
もっと他人を思いやる心があれば良かったと思うのです。

あらゆる発想の起点は自分であっても協力者は必要不可欠です。
どんな素晴らしい企画でも具体的な裏付けが必要です。
ブローカープランナーは他人の意見をコピペして組み立てます。
そこに参加予定のメンバーを紐つけて組織があるような見せ方をします。
どんな時にも「そこに人がいるか・そこに物があるか・そこに金はあるのか」
の確認が大切です。脆弱な土壌の上には建物は立ちません。

私が哲学書や仏教書を読むのは過酷な修行をされた方の本音です。
人間の本能の欲や探究心の限界を知ることにより見える世界です。
奥深くに入り込む研究家ではないので上辺だけの世界しか知ることは
出来ませんが、それでも自分の失敗の原因と思慮の浅はかさが
大きな災いを作ってきたことが手に取るようにわかります。
そして自分にとって高かった壁が、広すぎる世界が、こんなにも低くて
こんなに狭い社会だったのかと気づかされます。良書に触れる醍醐味です。
まさに「百折不撓」の精神が養われます。

強く生きるとは弱さを知ってわかるもの、
愛を知るとは裏切られた時に感じるもの、
信頼は傷つけあって乗り越えた時に生まれるものです。
空を飛ぶ鷹の目を持ち、
草木の間に生きる虫の目を持ち、
流れる水間の魚の目でこの世界を眺めることが必要です。

最後に「平和は和解から始まり柔和の心で帰結する」
憎しみから平和は生まれません。和を大切にしましょう。
この時代だからこそ「和」を意識した心が基本になります。
考えの中に行動の中に「和」を取り込んでください。
皆様の心の中に「和顔愛」の世界が広がりますように祈ります。