人生の目的とミッション
仏教の世界では生きる目的はと聞かれれば死ぬ事ですと答えるのが正解です。
生まれた時には既に「生老病死」の四苦を持っているからです。
現世(いまの世)が不幸な人は前世(まえの世)の行いが悪かった為に不幸に成ったのだと言われます。
その為には現世で徳を積まなければ来世(来る世)も不幸に成る宿命を授かると教義に書かれています。
輪廻転生の世界です。
徳とは自分本位では無く他人本位で生きる事です。
俗に言う利他心の気持ちを持って他人と接するということです。
富や名誉や色欲に溺れず奉仕の気持ちを持って生きる事です。
又人は同時に生きる使命を全うしなさいとも言われます。
生きる使命はミッションです。
魚屋は魚屋、大工は大工、八百屋は八百屋と家業の仕事に従事しなさいという事です。
勿論、職業に対する日々の勉強と責任と誇りを持って努めなさいという例えの話です。
仕事で社会に貢献することを使命にしなさいという事です。
現代は職業選択の自由があります。その中で天職と思える仕事に巡り合う事も大切です。
日本には仏様以外に八百万の神がいます。
山にも森にも小川にも小石にも海にも空にも至る所に神様が住んでいるのです。
その神様たちが見守るから貧富職業貴賤なく全ての人と仲良く暮らすのだと言われて来ました。
我々日本人のミッションは互助精神を基本とする助け合いの心で暮らす事です。
アメリカの作家リチャード・ライダー曰く「人生の目的とは生まれて来た目的を果たす事にある。」
又別の作家ジャックキャンフィールドは「私達は皆、それぞれ独自の人生の目的を持って生れて来ている。
私達は皆、理由があってここに存在している。それぞれは周りに貢献する為ここに居る。
貴方が人生の目的に沿って生きている時、あなたの行動全てに最高の喜びと達成感を感じる事が出来るだろう。」
運命宿命論である。
又、人生の目的とはその人の現世においての個人課題です。
何度も生まれ変わり魂の成長が遂げるそれが人生の目的と課題となります。
ミッションとは他の魂を宇宙の進歩に対して果たす役割の事を指します。
こちらは人生の目的が個人的課題であるに比べて、周りに対する貢献にあたります。
ある人は周りに愛を降り注ぐミッションを持って生れてくるそうです。
周りの人が自分自身を発見する手助けをするミッションを持っています。
個別の課題である目的と周りの貢献であるミッションを持って生れてくるそうです。
意識しようとしなくても魂のレベルで設定されているのです。
ヴェトナム人のディク・ナット・ハンという禅僧が仏の教えを全世界に広めています。
「世界の苦しみと関わりをもち、苦しみに動かされるとき、私達は苦しんでいる人たちを救うために、
前に向かいます。すると、みずからの苦しみが、なんということなしに、消えてしまうのです。
数百万の人達が飢えている状況において、富を蓄えてはならない。
名声、利益、富、官能の楽しみを、人生の目的としてはならない。
簡素に生きて、時間、エネルギー、物質的資源を、困っている人たちに分ちなさい。と言っています。
仏教的慈悲の心に包まれてミッションを果たしています。
人に尽くす事によりみずからの苦しみが解放されるのです。
それぞれの人達が人生の目的とミッションを遂行すれば世界の平和は守られます。