最後の晩餐

 

長い間の人生も一瞬の出来事で失う事が有ります。
突然の災難で生死をさ迷う事になりました。

その時に神様から最後の晩餐の招待を受けました。
さて貴方は何を食べたいと言いますか。

ここで質問です。「最後の晩餐のメニューは!」

回答者Aは最後だから世界の最高級料理を食べる。
回答者Bはせめて最後だから母親の手料理を食べる。
回答者Cはどうせ最後なら好きな料理を少しだけ食べる。
回答者Dは最後の食事は何も食べない。

貴方はどのタイプですか。

回答者Aは最後まで贅沢を望む強欲の塊です。
回答者Bは母親思いの優しい人です。
回答者Cは後悔と反省と涙で苦しんでいる人です。
回答者Dは明日死ぬのなら生きている人が食べれば良いと云う考えです。

そして

回答者Aは全てを食べつくしても満足せぬ多財餓鬼の世界に落ちてしまいました。
回答者Bはごく僅かな飲食ができる少財餓鬼の世界に落ちてしまいました。
回答者Cは一切の飲食が出来ない無財餓鬼の世界に落ちてしまいました。
回答者Dは苦しみと楽しみのある人間道の世界に入って行きました。

アップル社の創立者スティーブジョブス氏が、
世界最高の経営者に返り咲いた時に不治の病「膵臓ガン」でこの世を去りました。

彼が最後に食べた食事は何だったのでしょうか。

窮地に追い込まれた時や、絶体絶命の時に笑って食事をする事が出来たのでしょうか。
この様な最期の時に現れる言動こそ、その人の人間性を一番表している状態だと思います。

回答者Dのように生きている人に食べ物を残す人は、慈愛の心と奉仕の心を持った人です。
そうありたいものです。マザーテレサもそのような人でした。

仏教用語に「小欲知足」という言葉があります。

少しでも十分足りると云う意味です。
欲を取り除き少しで足りる事を知れば幸福感を感じると言います。

大きなステーキを一人で食べると、お腹一杯になって苦しくて薬を飲まなければならないかもしれません。
しかし大きなステーキを二等分にすると、好きな人と楽しく食べる事が出来るかもしれません。
そして大きなステーキを四等分にして、家族全員が笑いながら食べる事が出来るかもしれません。

大切の事は何をお腹一杯に食べたかでは無く誰と一緒に食べたかです。

尊敬する人や愛する人との食事が一番美味しいのに間違いありません。

最後の食事と言われて未だ食べ物に執着するこころがあるのは悲しい事です。
どのように辛い人生でも最後には残された人達の事を考える事が出来ると良いですね。