時宜に適って




「恩学」原稿300編達成!

いつもその日思いついた言葉をメモ書きします。
それを少し寝かせてから文章にします。
文章にしてしばらく熟成させます。
何度も気に入らない部分を削ぎ落としてから掲載します。
読者の皆様、拙い文章ですが長い間、愛読していただき有難う御座います。
プロデューサーの独り言にお付き合いしていただき心より感謝いたします。

毎月、資料用としてジャンルを問わず沢山の本を購入してきました。
その中ですぐに読む本と寝かしてしまう本があります。
それは全て「時宜に適って」最適なタイミング(読みたくなったら)で読みます。
これは物についても同じです。欲しい物を購入しても、直ぐに使う分と
タイミングが来たら使う分と分けています。

人間関係も、今お付き合いしたい人と、長くお付き合いしたい人と、
しばらく様子を見てお付き合いする人に分けています。
こうすることによって互いに傷つけあうことを避けてきました。

全ての出会いに全力投球すると疲れてしまうし、何か問題が起きた時に
精神的にダメージを受けることもあります。
ストレス障害やうつ病の人は真面目な人が罹りやすいと言われています。
それは全てに全力投球をしてしまうからです。

自分の受け入れられる「器の大きさ」が分かれば区分けもできたと思います。
必要な時に必要な人とお付き合いする。
決して衝動的にお付き合いすることを避けていれば人間関係も上手くいきます。

今回300編にあたりこの言葉を選びました。
「時宜に適って」少しでも皆様のお役に立つことができれば嬉しいです。
この文章は熟成する前に掲載します。
たまにはボジョレヌーボーも良いかと思いました。

「時宜にかなって語られる言葉は銀細工に付けられた金のりんご」といいます。
それは、入念に作られた美しく高価な宝物です。口を開く時を知っていることは、
それを語る人にとっても、また、聞く人にとっても有益です。
それが愛や励ましの言葉であっても、叱責の言葉であってもです。
しかし黙っているのがふさわしい時と場所もあります。

人は様々な人に巡り合い、そして金の言葉に出会う。
人は救われたいと思った時に救われる言葉を求めます。
死ぬかもしれない病にかかった時に「大丈夫治りますよ」という
医者の言葉は、何事にも変え難い金の言葉です。

私も子供の時に母親と別れた時、大阪まで付き添ってくれた母親の姉から
「大丈夫すぐにお母さんと会えるから」の一言で元気に暮らしていくことが出来ました。

僅か6歳の時です。

私の座右の言葉です。「恩学」でも度々紹介しました。

「愛語よく廻天の力あり」
これは、禅宗の名僧といわれる道元禅師の言葉です。

直訳すると
「愛語には、天をも動かす力がある」となりますが
「思いやりのある真心の言葉には、
世界を変える力があり、人の運命を好転させる力がある」
と訳すこともできるでしょう。

人と話す時には、
常に思いやりのある言葉を心がける。
その愛のある言葉は、
相手を幸せにすると共に、自分をも幸せにしてくれる。
人から優しい言葉を掛けられると
、自然と喜びがあふれ心が楽しくなる。

また、第三者を通じて優しい言葉を掛けられたと知ると、
その言葉が心に刻まれ、より感動することもある。
こんな経験を皆さまも一度や二度は、
されたことがあるのではないでしょうか?

一方で心無い言葉、つまりは憎語ともいうべき言葉は、
人を不幸にしてしまう力がある、
といっても過言ではないでしょう。

それだけ言葉と言うのは、人に大きな影響を与えるのです。
ただし、その言葉を受け取る側の受け止め方、
力量によっても、その言葉の真実が変わってしまうこともあります。
言葉とは、言葉をかける側も受け取る側も、
人としての価値、人間性が問われるといえますね。

皆さんが言葉の持つ力その意味を、
今一度真剣に考えていただく機会になれば幸いです。

辛い時に救われる言葉・心が楽になる金言


【マザー・テレサ】
「神様は私たちに、成功してほしいなんて思っていません。ただ、挑戦することを
望んでいるだけよ。」
人は、何に挑戦しようとするとき、リスクを考えてためらってしまうことがあります。
この言葉は、成功するかしないかという結果よりも、まず挑戦することの大切さを
伝えています。

【ヘレン・ケラー】
「人生はどちらかです。勇気をもって挑むか、棒にふるか。」
彼女の言葉は、重い障害を乗り越えた上での言葉だけに、私たちの心を奮い立たせます。困難があっても、挑み、乗り越えることで道が開ける、
そのようなことを教えてくれる名言です。

【トーマス・エジソン】
「私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、上手くいかない方法を見つけただけだ。」
エジソンは、幼少期学校を退学になり、最初の発明が営業的に失敗するなど、
決して順風な人生ではありませんでした。しかし、どんなに失敗を重ねても
「上手くいかない方法を知っただけで、これは失敗ではない」というポジティブな
スタンスで努力を続けた結果、偉業を成し遂げています。
何かで躓いたときに後ろ向きな考えに陥ってしまった時に、ぜひ思い出してもらいたい
名言です。

禅語の世界では、
「梅花雪に和して香し」(ばいかゆきにわしてかんばし)
この禅語には、「一枝(いっし)」という語が付くことがあります。
繋げますと、『一枝の梅花雪に和して香し』となります。

一面の白雪の中に凛として咲く梅の花、互いに引き立てあい、
互いに和し(親しみ)、馥郁(ふくいく)たる香りを放つ梅花の風情を表した
語です。「馥郁(ふくいく)たる香り」とは、よい香りが漂っている様子や
匂い立つ繊細で美しい香りを意味した言葉です。

梅は、どの花よりも早く花を開き清香を放ちます。厳しい寒さに耐え、
雪や霜を被り、幾多の試練に耐えながら、そこに至ります。
その忍苦あってこその凛とした花の美しさと馥郁たる香りがあることを顕した
語です。

私たち人間にも当てはまることであります。
幾多の困難にも耐え忍び、自身の信念を貫き精進すれば、自ずとそれぞれの
花が開くのではないでしょうか。何か困難に直面した時、
この禅語をあなたの役に立ててください。

私の部屋には中国四川省の美術館で購入した「雪中梅」の水墨画の絵があります。
何度も裏切られ傷つけられたとしても、この絵を見るたびに勇気を頂きました。
厳しい雪の中で真っ赤な蕾をつけて咲く、香ある梅の花に「耐えてこそ人生」を
学びました。

これを眺めながら岐阜県白川町でいただいた高山煎茶を口に含むと、
身体中に至福の喜びが溢れます。これからもまだまだ「恩学」の原稿を書き続けます。

長い文章になりましたが最後までお読みいただきありがとうございました。
皆様との出会いも「時宜に適っている」と信じている次第です。