音楽家を目指す君たちへ(つづき)



才能の開花はどのようにして起こるのか?
オーディションへ来るアーティストやバンドマン達。
圧倒的にヒット曲のコピーを演奏する人たちが多い。
大好きなアーティストのコピーなので見た目も雰囲気も似せて来る。
それなりに評価はされるが演奏が悪いと笑い者になる。

オーディションの最初に審査員からインタビューがある。
私の場合(審査員によってそれぞれ質問内容が違う)

最初の質問は、
「好きな音楽・良い音楽・売れる音楽」のどれを望みますか?
次の質問は、
音楽をやる「目標・目的」は何ですか?
最後の質問は、
「オリジナルの楽曲」は何曲ありますか?

そして、上記の質問が終わってから演奏が開始です。
通常1曲の長さの5~6分で運命が決まります。

終了後にレコード会社のスタッフから追加の質問があり将来が決められてしまいます。
当然メジャーなレコード会社からデビューが出来れば売れる可能性は大です。
TVやCM・アニメの主題歌などのタイアップが決まれば一躍人気者になるのです。

時代が変わり現代ではレコード会社主催のオーディションは殆ど無くなりました。
路上ライブとYoutubeでデビューしてくるアーティストが多くなったからです。

ある程度のファンが出来て手売りでCDを売れば生活するには困らない人もいます。
自由に音楽活動をして自由に創作活動ができればそれで満足する人も多いのです。
音楽仲間とワイワイ騒ぎながらライブハウスで演奏が出来れば、
最高だと思っている人もいます。
しかし、アーティスト活動から営業まで大変な努力が必要とされます。

彼らはプロと言われるスタッフからあれこれ制約されるのが気に入らないのです。
自分たちの仲間か音楽事務所から紹介された一般のプロデューサーと手を組んで、
気軽に作品作りに励むほうが楽だと無難な方向へと進むのです。

そして、自主製作でCDを作り、そのCDを買い取る条件でメーカーと契約を結び、
レコード会社のインディーズなどのレーベルからデビューをしてくるケースもあります。

私はプロデューサーとして質問されれば答えることがあります。
「好きな音楽・良い音楽・売れる音楽」の違いについて。

① 好きな音楽はアマチュアで自由に活動をしなさい。
➁ 良い音楽は楽典を学び譜面で演奏が出来るようにしなさい。
③ 売れる音楽は時代を読む力を付けなさい。

そして、売れる音楽を作りたいのなら私に依頼しなさい。

プロデューサーは様々です。
三流のプロデューサーは礼儀作法を教えます。
二流のプロデューサーは悪い部分を指摘します。
一流のプロデューサーは良い部分を引き出して磨きをかけます。

才能の開花は個人でもできます。

自分の作品やライブでの反応をコマメにチェックして、
次回の作品やライブに活かせる人です。

薄暗いライブハウスの隅々までに気を配り、
歌詞のメッセージが全員に届いているか確認が取れる人です。

自分を中心に置いて演奏技術を高めても聴衆へは伝わりにくいのです。
見た目やパフォーマンス、ファンへのサービスなどに気を使える人です。

そして最も大切なことは自分の拘りを追求できる人です。
好きなジャンルの好きなアーティストを徹底的に研究して分析することです。
その作品作りの基本を活かして、自分の作品にも取り入れることが出来る人です。

才能の開花はあらゆることに挑戦して初めて花開くのです。

音楽家を目指す君たちへ
最近デジタルで手軽に音楽が作ることが可能になりました。
そして作品をSNSで流して聴いてもらえるようにもなりました。
時代の流れに乗ることも悪くはありませんが、何かが物足りなく感じませんか?

それは「人間性」です。
人として何の目標・目的をもって何を考えているかを聴衆が求めている時代です。
一過性のファッションで音楽をやっても長くは続きません。
アーティストの「人間性」を高めることが、才能を開花させ時代を作り出すのです。
作品を好きになる前に、
そのアーティストの人間性を好きになってもらう方が長く続きます。

人として音楽以外の歴史や文化や社会情勢にも興味を持ち、
果敢に異国へも出向き見識を深めることで「人間性」が出来上がります。


自分なりのサクセスストーリーを完成させてください。